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第百三十九話 タージさんはタージさんだった

神獣たちには好評だった芋ようかんをみんなにも食べてもらった。感想はおおむね好評だったけどマリーサさんとキッカからもう少し砂糖を控えると芋の甘さを楽しめると言われたよ。


マルサールは「店長が作るのはどれも旨いです」としか言わない。これはいつもの事だから聞き流している。後はタージさんに意見を貰うだけ。

でも今はまだ夜営業で忙しい時間だからもう少し後で行くことにして、それまでは仕事をしておこうと作業場に行こうとしたときだ。


「店長。レーちゃんも親鳥さんも居るけど家に手紙だしたの?」


忘れてた! リョウタ君とお土産の事ばかり考えてたよ……


「うん。忘れてた…… ありがとうな、キッカ」

「まぁ~ 店長がやる事だもん。そんなところだと思ったわ」

「せっかく感謝したって言うのにその気分が薄れるぞ……」

「それだけ気を許してるって事じゃない」

「それは嬉しいが少しは気も使ってくれ」

「いつも使ってるわよ。女将さんにやきもち焼かさないようにね」

「あら、私は焼いてないわよ。みんな好い子達ばかりだもの」

「…………手紙書いてくる」


うん。絶対口では勝てない気がする。ってか、勝てる日が来ない気がする……


自分の部屋に戻り、手紙を書いた。それをレーちゃんに実家に届けてもらうように頼んだら親鳥さんも一緒に飛んで行った。これもいつもの事だからとマリーサさんに教えてあげた。

なにせ親鳥さんはレーちゃんの傍を離れたくないから俺の元に居るようなものだからね。



そろそろ、うまいっ亭も忙しい時間を過ぎた頃だろうと思い行ってみた。


芋ようかんを試食したタージさんが初めに聞いて来たのは「これ、どうやって固めた?」だった。

聞かれると思いあらかじめ持ってきた寒天を見せ、説明をしたら


「こんなのどこで知ったんだ?」


おれも分からない…… ときおり思い出したかのような感じがあるだけ。でもそんなこと言うっても話がややこしくなるだけだから、ここは適当に……


「何処だったか忘れたけど以前に聞いたことがあって、乾物屋さんに探してもらってたんだ。そしたら見つかったからって……」

「そうか」


それから当然のように寒天の使い方を教え、明日はうまうっ亭で芋ようかん作りをすることがタージさんによって決定された。


「俺、仕事が溜まってるんだけど……」

「そんなのレーの羽使えばすぐ終わる」

「そうだけど、そればかりに頼ってたらスキルアップが」

「今は芋ようかんだ!」

「……はい」

「サツマイモはこっちで用意しておくから寒天を忘れるなよ」


忘れるなよって言っても隣から持ってくるだけだし…… 


まぁ、俺が何を言って今は何も聞いてはくれないだろう。こういう時のタージさんは料理人の血が騒ぐのかすべてに優先させる。


仕方ない。レーちゃんの羽を使うか……。


翌日、タージさんに言われたように寒天を持って行き営業中に寒天の戻しと芋のアク抜きをして昼休憩に作って行く。作るのは早い。固めている間に次の分の用意をして夜営業が忙しくなる前に作った。本当に営業時間の隙間を突くような感じで大量の芋ようかんを作った。


もちろん、夜営業で芋ようかんが出された事は言うまでもない。


いつもお読み頂きありがとうございます。また、誤字報告も頂き感謝しております。


さて、今まで月曜日から金曜日で更新をしておりましたが、当方の諸事情から更新日を一部変更させて頂く事に致しました。


変更内容は休載日に祝日と毎月1日を追加させて頂きます。4連休以上になった時はどこかで更新をして行く予定にしております。

出来る限り日にちを開けないように努力はして行くつもりですのでご理解を頂けましたら幸いです。

お願い事ばかりで申し訳ありませんが、引き続きご愛読頂けますようにお願いを致します。


文末になりましたが、皆様のご健勝を願っております。


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