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第二百三十八話 お土産は芋ようかん

乾物屋さんを出るとそのまま八百屋に行きサツマイモを買って帰って来た。

作るのは芋ようかん。


実は芋ようかん作りは待ち時間が多い。そのため今回はうまいっ亭の厨房は借りずに家の台所で作ることにした。


始めに寒天を水で戻すところから。25グラムの寒天を軽く洗った後、500CCの水に漬ける。気持ち固めを目指す。

俺は最低でも2時間は漬けておきたい。乾物屋さんには最低でも30分って言ったけど、溶けムラが出来やすいから一度濾せば問題はない。って、溶けムラの事は話し忘れたような……。でも濾すのは教えたから良いよね。こんどちゃんと訂正しておこう。だけど今はしっかりと戻しておきたい。


次はサツマイモ。これは皮をむいて2センチくらいの輪切りにしたら水に1時間以上つけてアク抜きをする。この間は待ち時間でする事が無い。本当はクチナシの実を使って色を出したいところだけど、手元に無いから今回は諦めよう……。


今回はサツマイモ500g使ったけど、またルーバ達に足りないとか言われるか??

でも、おれも一度は試作しないといきなりは自信が無いんだよな……


さて、待っている間に少しでも仕事をしておこう。


仕事に集中していたらあっという間に時間が過ぎ、台所にやって来た。

早速サツマイモを茹でる。楊枝で抵抗なく刺すことが出来たら茹で上がりだよ。

イモが茹で上がったら荒く潰してから裏ごしをしよう。


裏ごしが終わったら水に漬けておいた寒天を漬け水ごと鍋に入れて火にかける。

沸いてくる間に裏ごししたイモに砂糖100gをよく混ぜておく。砂糖の量は好みで調整だ。イモの甘さを確認してから砂糖の量を決めるのがポイントだよ。


寒天が沸いてきたら鍋端の沸々が維持する程度に火を弱め、しっかり寒天を煮溶かしていく。大体2分から5分が目安かな。完全に溶けたら火からおろし、イモに少しずつ加えながらよく混ぜ、全体が馴染んできたら型に入れ粗熱を取ってから冷蔵箱で冷やし固めたら出来上がり。

大体、一時間ほどで固まると思う


出来上がったら食べやすい大きさに切り分けて食べよう。


時間をみると結構経っていた。これは夕飯後のお茶請けかな?と、そう思っても神獣たちがそうさせてはくれなかった。


『おっ、やっと出来たか』

『待ちわびたぞ。主』

『レーちゃんも待ってたなの~』

「なんで判ったの??」

『お主が台所から出てこんという事は何か食い物を作っている時だからな』

『そうだぞ。新参者の俺でもわかる』


そうなんだ…… みんな俺の行動をよく見てるね。


『で、何を作ったんだ?』

「あぁ~ うん。これは帰る時のお土産に持って行くお菓子の試作だよ」

『なに! お菓子だと!! よし、吾輩が味見をしてくれよ』

『俺も味見するからな』

『レーちゃんも食べたいのなの~~』


はぁ~ やっぱこうなるか……


「試作だからな、一口も無いぞ」

『それで良い。美味かったら作ってもらうだけだ』

『いいから早く味見しようぜ』


神獣共に急かされて出来上がったばかりの芋ようかんを切り分けた。


『…………これだけか?』

「そうだよ」

『一口も無いぞ……』

「だからそう言ったよな」

『そうだったか??』

『でもこれは……』

「なに? 気に入らないなら食べなくていいよ」

『いや、食うぞ』


不満そうな顔をしながらルーバが食べ終わる。


『ご主人様~ これ甘くて美味しいのなの~』

『おう。この歯ごたえとホロっとした口どけが良いな』

『そうなのか? 我には小さすぎて分からなんだ……』

『ははっ、ルーバは口がデカいからな』

「言っておくけどもう無いよ。他のみんなにも分けるんだからさ」

『…………わかっておるわ』


あまりにも情けない顔が面白かったからもう少しだけルーバに出してやったら、シッポを抜けるんじゃないかと思うほど振りながら食べているのを見て、つい可愛いと思ってしまった。


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