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第二百三十一話 ジュグレさんは新作?料理が気になるようです

コミュレットの馬車で店に戻りと早々にリョウタ君をジュグレさんに会わせた。

二人の間で少しの間やり取りをしていたようだが、ジュグレさんが二人だけで話したいと言われていたので俺には会話の内容は分かっていない。

だけど、これはキッカの時と同じだがリョウタ君もここから通勤することになっている。それは俺がリョウタ君のお母さんから直接預かっているからだ。


「店長。明日からでも来てくれて良いと言われましたけどどうしましょう?」

「そう。なら明日から行けばいいよ。スキルを磨くのは一日でも早い方が良いからね」

「わかりました。そうさせてもらいます」

「だけど、ジュグレさんからも聞いてるかもしれないけど、ここから通うんだよ」

「はい。ありがとうございます」

「ところで、新館の場所は知ってる?」

「はい。この後にジュグレさんがパーティーパーティーに連れて行ってくれるので大丈夫です」

「そう。店が出せるように頑張ってな」

「はい」


リョウタ君と入れ替わるようにジュグレさんがケーキの型を見せて欲しいと言ってきたから型はうまいっ亭に置いてあるからと二人でうまいっ亭に移動した。


「ジュグレさん。どうしたんですか?」


いきなりの師匠訪問にタージさんも驚いたようだ。


「チョコラ殿にケーキの型を見せて欲しいと頼んだらここに置いてあると言うからね」

「あぁ~ そう言事ね。型ならこれですよ」


タージさんが出してくれた3種類の大きさが違う型を見てしげしげと観察していた。


「そう言えばチョコラよ。このホールケーキとから揚げ、あとゼリー寄せだったか…… あと俺が初めて見た料理は全部レシピ登録しておいたからな」

「あぁ~ はい。ありがとうございます」

「なんですか? そのから揚げとかゼリー寄せとは??」

「二日前にここでリョウタ君の誕生日会を開いたんだ。その時にチョコラが作った料理さ」

「そんなことを…… 誘って欲しかったですね」


えっ、いま誘って欲しかったって聞こえたような……


「タージは良いですね。隣だからってチョコラ殿の新作をすぐに知ることが出来て……。私なんか相談されるだけで新作料理が出る会には呼ばれもしません……」

「なんだ、拗ねてんのか?」

「拗ねてなんかいませんよ。のけ者にされたような気分になっただけです」

「でも、土産にってケーキ作ってたから貰ったんじゃなないのか?」

「頂きましたよ。頂いたからこの型を見に来たんですが、まさかそんな話を聞かされるとは夢にも思いませんでしたよ」

「あぁ~ こりゃ完全に拗ねてるな」

「あっ… あの…… 良ければこれから作りましょうか、から揚げ……」

「ゼリー寄せもお願いします」



から揚げの仕込みは調味液に漬け込む時間が要るし、ゼリー寄せは冷やして固める時間が要るので完成までに少し時間が掛かり、出来上がった時にはうまいっ亭の夜営業が始まっていた。


ゼリー寄せの完成に合わせてから揚げを揚げ、客席で待つジュグレさんの元に。

味の薄いゼリー寄せから食べてもらう。


「これは…… 野菜を入れたスープを固めたものですか?」

「結果は似たようなモノだけど少し違います」


それから作り方を説明した。

次はから揚げだ。家では何度も作っていてルーバ達のお気に入り。でもレシピ登録をしたとか言ってたけどタージさんも知っているはずだと思ったけど違うのかな??


「これは……」


一口食べてジュグレさんが何やら悩んでいるようだった。


「どうかされましたか?」

「いえ、このままではコミュレットでは出せないけど盛り付けのアレンジをしたら出せそうな気がして考えていました」


なるほど。そう言うことか。なら……


「ジュグレさん。これに甘酢餡を掛けても美味しいですし、小さめに作ってグラタンに入れても美味しいですよ」

「やはりチョコラ殿をクリーニング屋にしておくのは勿体無いですね」

「いや、俺はクリーニング屋で十分ですから……」

「なぁ~ その料理、俺たちにも出してくれないか?」


俺たちのやり取りって言うか、ジュグレさんが食べているのを見ていた他のお客さんから注文が入ってしまった。


「おいチョコラ。注文だ。さっさと作れ」


えっ、俺が作るの??


ルーバやホンちゃん、レーちゃんも好きだからと多めに仕込んだ唐揚げはその日の特別メニューとして完売してしまった。




翌日のコミュレット


「昨日、鍛冶工房に向かいましたところ、チョコラ殿が量産するようにと助言をされていたようで3種類の型を即入手することが出来ました」

「それは何よりです」

「しかし、2店舗で使うには数が足りないと思いまして、勝手では有りますが追加で注文をしておきました」

「そうですか。今ある数はどれだけですか?」

「はい。それぞれ10個づつです」

「そうですね。一店舗分ですね。わかりました」


そう言えば肝心なケーキの作り方を聞くのを忘れたと執事の報告を聞きながら反省するジュグレだった


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