第二百二十八話 リョウタ君の誕生日~中編~
俺はリョウタ君を連れて教会にやって来た。
「神父様。今日はこの子。リョウタ君の15歳の誕生日なんです。適職付与の儀をお願いします」
俺は神父様の顔を見るなり挨拶も忘れ捲し立てていた。
「これ、チョコ坊。落ち着きなさい。お前さんが興奮してどうするのですか」
神父様に窘められた俺…… 横でリョウタ君が困った顔をしていた。
「リョウタ君。15歳のお誕生日、おめでとうございます。今日から大人の仲間入りですね。楽しい事と同じだけ辛いことも有りますが、挫けること無く真っ直ぐに歩みを進めて下さい。さすれば願ったものは必ず手にすることが出来ますよ」
「ありがとうございます。神父様のお言葉を忘れることなく精進していきます」
「はい。それで結構。ではチョコ坊の店の子と言う事で特別に神職目録開示の儀を行うとしようかのう」
「えっ、いいの?」
「チョコ坊もそうだったろう?」
「はい」
「ではリョウタ君。ついておいで。チョコ坊はここで待っていなさい」
そう言い残し神父様とリョウタ君は礼拝堂の奥へと消えて行った。
教会のとある部屋では……
「ではリョウタ君。この水晶に右手に。左手でここに在るヒスイに触れなさい」
言われたようにするリョウタ君の額に不死鳥の羽で作った杖を当てられ、魔力が流し込まれる。
氏名 リョウタ
年齢 15歳
能力 造形・創造
適職 パテシェ
魔法属性 火・水
能力レベル 1
神父は感じていた。チョコ坊の時も思ったがパテシェとは初めて聞く職業だと。だけど『適職が能力を活かす職すべて』と出たチョコ坊より遥かに分かりやすいが、いったいどんな職だと気になった。
「リョウタ君どうだった?」
神職目録開示の儀を終えて礼拝堂に戻って来たリョウタ君に駆け寄り結果を聞き出すチョコラに再び神父様が宥める。
「チョコ坊よ、リョウタ君も儀式が終わったばかりじゃ。慌てるではないわ」
「……すいません。でも結果が気になって……」
「気持ちはわかるがな、無闇に結果を人に教えるものでも無いのだぞ」
「解ってるけど適職だけでも……」
「パテシェでした。職業はパテシェ」
「パテシェ!」
「はい。でもどんな仕事かわからなくて…… 神父様も知らないとか……」
「俺が知ってる。安心しな。ちゃんとお膳立てしてやるよ」
「ほう~ チョコ坊よ。パテシェとはどんな仕事か教えてくれんか?」
「良いよ。それはね、シュークリームやロールケーキなどのお菓子を作る職人さんだよ」
「ほう~ それは楽しみじゃな」
「とにかく俺に任せておけば大丈夫だからね」
思いもよらぬ結果に今夜お披露目するケーキは華を添えるだろうと内心喜びながらチョコラは店に戻るのだった。




