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第二百十九話 迎えた挙式

多くのご支援を頂きありがとうごいます。

今回はユニーク数10万人突破の感謝を込めて、本日二本目の投稿です。

前話(218話)をお読みでない方はそちらからお読みください。



滞りなく挙式・披露宴の準備が進められて、とうとう迎えた挙式の朝。まさか2週間で挙式をするとは夢にも思っていなかった。きっと裏でクラムが絵を描いていたに違いない。なにせマリーサさんはクラムの従妹でその不遇な扱いから救うほどの存在だし……


そんなことを思っているとコミュレットから迎えの馬車が2台着いた。俺と従魔、マリーサさんと店の者たちと別れて馬車に乗る。


コミュレットに着くと俺はすぐさま従業員用の浴室でシャワーを浴びさせられ、衣装を着せられた。着せられた衣装にはいろいろな装飾がなされ俺すら見たことが無い勲章も飾られていた。

その後はマリーサさんの用意が出来るまでしばらく控室で待たされたかと思うと再び馬車で教会に連れていかれた。どうやらマリーサさんは新館の方で準備を終えているらしい。


馬車は新館の前で止まっていた馬車と合流すると並走して教会の前に付けられ、俺とマリーサさんがそれぞれの馬車から降りる。


教会の入り口にはクラムが待っていて「俺が先導するから」と言ってバージンロードの手前まで歩いた。


「ここから先はチョコラ殿がリードして歩いて行け」と俺にささやくとマリーサさんが「クラム。ありがとう」と返していた。


一歩バージンロードを踏み出したところで拍手が鳴り響き、それは神父さんが声を発するまで続いた。それとなく周りを見ると参列席の最前列には陛下や宰相さん騎士団と近衛隊の団長さん。それに公爵様が。反対側には俺の家族や村長たち。それといつの間にかルーバ達が並んでいたよ。


家族には俺の家に顔も出さずにいつから王都にいたんだ? と心の中で突っ込んでおいた。


神父さんの会式の言葉から始まり、祈り、祝辞と進み、いよいよ誓いの言葉。


「新郎・チョコラ。なんじ(すこ)やかなるときも ()めるときも 喜びのときも 悲しみのときも ()めるときも (まず)しいときもこれを愛し (うやま)い (なぐさ)(つか)え 共に助け合い その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?」


さすがにここまで来たら腹を括るしかないよな……


「はい。誓います」

「新婦・マリーサ。汝、健やかなるときも 病めるときも 喜びのときも 悲しみのときも 富めるときも 貧しいときもこれを愛し 敬い 慰め遣え 共に助け合い その命ある限り 真心を尽くすことを誓いますか?」


「はい。誓います」

「それでは立会人の皆様には神の御前(おんまえ)で、永久(とわ)の誓いをされたお二人の結婚を承認する祝福の拍手をお願いします」


「ちょっと待ったぁ~~~~!」


いきなり大きな声がしたかと思うと現れたのは近衛隊で事務をしているはずのティラさんだった。

いきなりの登場でざわざわしだした会場に気を留める様子もなく俺の前に立つティラさん。


「なんで私じゃないのよ~~ あなたの隣に立つのは私だったのに……」

「??隣に立つ?」

「そうよ。初めは任務中にだったけど…… そのあとは近衛隊を辞めてまで押し掛け店員でアピールしてたのに……」

「えっ、あれ…そう言う事だったの?」

「そうよ! この鈍感男! なんで判んないのよ~!!」

「あっ、だけどほら、あれ以来会っても無いし……」

「当然よ。あれから当時の王太子殿下の命令で僻地の部隊に追い遣られたんだから。それで20日前にあなたが結婚するって聞いて慌てて飛んで来たんだからね! あぁ~もう~この鈍感男がこんなに早く結婚するなんて油断していたわ。玉の輿計画が台無しよ!!」


そう言いながらクラムを睨みつけている。


「えっ? 20日前?」


その時はまだマリーサさんに会っても居なかったよな……


「おい、この者を連れ出せ!」


慌ててクラムがティラさんを排除しようと近くの護衛に命じた。


「放してよ~ チョコラと結婚するのは私なんだから~~~~」


いや、それはないない。


「先にツバを付けたのは私なんだから~~~~」


ツバも付けられて無いし……


それより、20日前聞いたという事は俺に会わせる前からもう決まっていたという事だよな……


「クラム。後から詳しく話を聞かせてもらうからな」

「……今は陛下と言って欲しいか…な?」

「そうですか陛下。それでは陛下、後でちゃんと説明してもらいますからね!陛下。逃げないでくださいよ。へ・い・か」


「あぁ~ ちょっと連呼しすぎかな??」

「わかりましたよ。陛下」


不味いと言う顔をしながらクラムが大きな声で指示を飛ばした。


「神父殿。ほら……続きを」


思いもしないハプニングに騒然としたが、陛下の声で気を取り直した神父は「それではお二人に祝福の拍手を」と促すとこの雰囲気を掻き消すかのように大きな拍手が沸き起こり、無事に?挙式を終えたのだった。


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