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第二十一話 続・冒険者ギルドにて

『おい。そこなる人間。聞いておるのか』


シルバーウルフよ……って長いな…… そう言えば名前を聞いてなかったな。

「なぁ~ お前さんに名前は有るのか?」

『吾輩の名か? 在るがあれは神界の名だ。人間に知られると吾輩が神界に戻れんようになる』

「そうか。いまここでの名前を付けても良いか? シルバーウルフでは呼びにくいからな」

『そうか。吾輩は構わんぞ』

「呼ばれたい名前はあるか?」



シルバーウルフはしばし考えた。神界での名を(もじ)るか、それとも新しく付けるか……

そして結論がでた。考えるのが面倒だ。あ奴に付けさせよう。


『この地ではお主の世話になる。お主が呼びやすい名を付けるとよいぞ』

こう言えば愚かな人間の事だ、吾輩の意図も知らずに喜んで考えるだろう。と安易に思っていた。


「お前、これだけ時間を使って考えるのが面倒になっただろう……」

『うぉ? そ…そ…そんな事ないぞ……』

「じゃ~ どうしてどもるんだ?」

『そ…そ…そんな事よりだな、吾輩に名を付けるのか付けないのかどっちだ!』

「おっ、誤魔化したな……。まぁ~良いよ。お前の名前はルーバな」

『…………安易だがまぁ~良い』

「じゃ~決まりな」


名前が決まったところで、そろそろギルドマスターには正気に戻ってもらうか……


ギルド長室を出て近くに居たギルド職員さんに濡らした布とお水を貰い、部屋に戻って来ると濡れた布をギルドマスターにの顔にあて、強制的に水を飲ませた。


「いや……すまん。まさかシルバーウルフがしゃべるとは思わなかったから驚いた」

「驚いたと言うより、違う世界に飛んで行ってましたよ。それから、名前はルーバですから」

「ほんとにすまん。ところで、シル…ルーバをちゃんと管理できるのか?」

『おい人間。吾輩は神界にてとある神様の護衛をしていた者。人からの管理も要らねば人に害も与えぬは!』

「そう…そうですか。神界からですか……。それは安心しました」

『わかったのなら早くチョコラの家に居られるようにしろ』

「それではチョコラさんを管理責任者としてルーバ様を従魔登録させて貰います。それでこの街に居られるようになりますので……」

『ふむ』


こんなやり取りが有った中でなんとか従魔登録も終わり、家に戻って来たのは良いけど、いかんせんルーバが居ると部屋が狭く俺の居場所が無くなりそうだ。引っ越すにも金が要るからな……


「なぁ~ルーバ。お前もう少し小さくなれないのか? その大きさだと家が狭いんだよ」


そう冗談のつもりで言ってみるとルーバは『これでどうだ』と本当に小型犬位の大きさになった。


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