表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
201/250

第二百一話 協力

教会の帰り、ひとしきり子供の相手をさせられたルーバとホンちゃんに責められる形で市場の屋台にやって来た。ルーバいわく、『労働に対する正当な報酬だ』と言いながら思いつくままにはしごしている。ホンちゃんも『これでも安いくらいだ』と文句を言っている。

神獣に慣れてきた子供たちは容赦がないらしく、みんなボロボロになっているのはルーバの毛並みやホンちゃんの疲れ切った顔を見れば一目瞭然で、レーちゃんだけがまだ遊び足りないと言った表情をしていた。


『おい親鳥、お前は屋根の上で見てただけだろう! なぜ一緒に食ってるんだ』

『そうだぞ。お前だけ無傷じゃねぇか!』

『我は監視役。子供たち安全』

『監視など要らん。子供の相手をしろ!』

『自分ばかり楽するな!』

『役割大事』

『誰が決めたんだよ』

『ルーバ・ホン子供人気。適材適所。自然決まる』

『『うるさいわ』』


従魔たちのじゃれ合いを横目にしながらせっかくだからとキッカの店を覗きに行ってみることにした。

露店を出してからキッカは朝早くから出かけ、戻って来たらマルサールと翌日の商品選びにジュグレさんに出す報告書の作成と忙しくしているためこの処ほとんど会話もないんだよね。


「あっ、店長いらっしゃい」


近くまで来たら早々に見つかったてキッカから声をかけてきた。


「今日の調子はどうだ?」

「うん…… 最近はぼちぼちかな。出せる商品も少ないしね」

「俺に出来ることは有るか?」

「有ると言えば有るけど、無いと言えば無いかな」

「なんだそれ」

「あのね、オープンの時みたいに買取はして貰えないのかってよく聞かれるの。だからマルを借りれないかなって……」

「良いぞ。ジュグレさんの許可が取れたなら」

「それは大丈夫。全部私の裁量だからジュグレさんは何も言わないわ」

「そうなのか? 何か指導をしてくれてるんじゃ……」

「それもないわよ。ただ、報告書を読んで気になるところを指摘してくれるだけ。それの対策は私が自分で考えるの」

「そりゃ厳しいな」

「そんなことないわよ。指摘してくれるだけでもありがたいわ。だって独立したら指摘すらしてくれる人が居なくなるの。いつでも自分で考えて対応して行ける力を付けないととても独立なんて出来ないわ」


孤児院に居た頃から気が強い子だとは感じていたが、実はしっかりと自分で考えそれを言える子なんだと改めて関心をしてしまった。と同時に明日からマルサールを付けようと決めたのだった。


店に戻りマルサールに話をして午前中は店で、午後からはキッカの店に行くことで協力をしてもらえる事になった。

店長なんだから業務命令って形を取れば良いのかも知れないが気持ちよく協力をしてもらいたい思いから命令はしないけど快く引き受けてくれた事に感謝した。


平素はご愛読頂きましてありがとうござます。

また、200話の応援メセッージも頂きましてありがとうございます。

私の作品には戦闘シーンも恋愛シーンもなく盛り上がりに欠ける内容ですが、周りとの関りを通して登場キャラたちの成長が表現できたらと思っていますのでこれからもよろしくお願いします。

また、これから展開としては主人公のチョコラが振り回されていた展開から人を育てて行くという方向に話を持ってく予定で、タイトルとさらに離れるかもしれませんが、変わらぬ応援をお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ