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第百八十九話 イベントの反動?

キッカの露店でのオープニングイベントが終わって落ち着きを取り戻すはずだったが、鑑定と買取、修繕の依頼が俺の元へやってきて少々パニック状態で、なんとかマルサールと二人で対応をしているが、販売までは対応しきれずキッカの店を紹介しているのがやっとと言う状態だった。


アントンの受験も気が付けば来週に控え終盤を迎えていたようでこんな大事な時期に5日間も勉強をストップさせてしまったことに申し訳なさも感じた。


俺はというと夕方にキッカが戻って来るまで店頭で客の対応に追われて、夜に作業をしている。

本来ならひとつひとつ心を込めてやりたいのだが、あまりにもの数で手作業では間に合わず、俺の中では禁じ手のレーちゃんの羽根も使っている。でも、全部レーちゃんの羽だと俺の感覚が鈍るから手作業のものとレーちゃんの羽根でまとめて出来るものを鑑定で選別して作業に当たっている。

でも、この忙しい状況もいつまで続くか…… 過去の例を見ても長くは続かないから今しばらくの我慢だよ。


そうそう、この数日で変わった事も有ったんだ。それは王都で古物商をしている人たちが買い付けに来るようになったんだ。もちろん商談が苦手な俺はキッカに振っているけど有料でも良いから鑑定だけでも急いでして欲しいと持ち込んでくる依頼品をマルサールが鑑定してメキメキ実力を上げていた。もちろんちゃんとフォローはしているよ。


キッカの武者修行がこうして間接的にマルサールの修行に一役買ってくれたことは俺の中でも嬉しい誤算となった。あとはアントンが医学学校に合格してくれたら言うことがない。



そんなこんなで迎えたアントンの受験の日、家庭教師の先生がアントンは覚えが良いし、頭の回転も速いらしくきっと合格すると太鼓判を押してくれたものの心配だ。


いつもはうまいっ亭でご飯を食べてもらっているが、今日は俺が合格を祈念してお弁当を作って持たせてみた。ほんと……頑張って。試験だけは助けてあげられないんだよ。


「店長。ありがとうございました。ここまでお膳立てしてくれたから合格してきます」

「おっ… おう。俺は信じてるよ」

「気楽に受けてこい。店長の本心は来年が本番だからさ、今日は場慣れで雰囲気に慣れてこれば良いのさ」

「そうそう。焦ったら負けよ。平常心が一番の武器なんだからね」

「……ありがと。でも俺は今日の試験で合格してみせるよ」

「と… とにかく気楽に行ってこい」

「では行ってきます」


みんなの応援と心強い決意を持ってアントンは試験会場へと出かけて行った。


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