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第百七十九話 チョコラ、予定を早める

キャサル村から戻って3か月、ホンちゃんは希少種の竜と成体でも50センチ程と可愛いのもあって、すでにお店のマスコットになっていた。


ルーバとレーちゃんはうまいっ亭の客からいろいろ貰っているようだけど、ホンちゃんはうちのお客からお土産とか差し入れなどといろいろ貰っては上機嫌である。

おかげで古物の回転が良くそれだけマルサ―ルの鑑定能力も急激に向上していたし、キッカの商人としの能力も驚くほど向上していた。この分だと2年を目処にと考えていたけどもっと早く自立させることができそうだと内心驚いている。


特にアントンは俺が直接指導しているせいかメキメキとスキルの回復を使いこなすようになっていて、これは来年を待たずに4か月後にある医学学校の試験を受けさせても大丈夫なのではないかと思わせるほどだ。


幸い、一般的な教養は教会で教えているので心配はしていないが、受験に必要な知識が追い付いていないのも事実で、俺には何ともしようが無い領域。そこで色々考えてアントンには家庭教師を付けて受験勉強に集中してもらう事にしたいのだが、その先生すら分からない……。


いろいろ試案して思いついたのがアロウス公爵様。公爵様なら伝手を持っているかも知れないと思い訪ね、お願いをしてる事にしてみた。


「ルーバ、今からアロウス公爵の家まで乗せて行ってくれないか」

『どうした。お主から公爵の家に行くのは初めてだな』

「うん。アントンの事でお願いしたい事があってね」

『しょうがない。連れて行ってやる』

「ありがとう。よろしくな」



アロウス公爵邸に着くと二人の門番さんにいきなり槍を向けられた。


「おい、貴様… そのような獣を連れて不審な奴。そこを動くな」

「あっ、驚かせたようですいません。俺はチョコラと言います。公爵様にお会いしたくて伺いました。お取次ぎをお願いします」

「お前のような平民に公爵様がお会いになるものか! さっさと帰れ!」

「公爵様に俺の名前を伝えるだけでもお願いします」

「無駄な事は止めて置け」

『そこの人間よ。こ奴の取次ぎをせねば困るのはお前だぞ』

「獣がしゃべった……」

「もう…… ルーバは黙っててよ」

『すまぬ、イライラしてついな』


ルーバ喋った事から門番が相談して一人が居なくなった。

しばらくして公爵家嫡男のトルトン殿下が走って来た。


「チョコラ殿。ご無沙汰をしております。ようこそお越しくださいました。どうぞ中へ。ご案内します」

「ありがとう。トルトン殿下もご健勝でなによりです」

「挨拶は良いですから早く。父上もお待ちです」


門番さんの顔が青くなっていたけど告げ口はしないから安心していいよ。


トルトン殿下に先導してもらい公爵様が待つ部屋に案内された。


「これはチョコラ殿。よく来て頂けた。その節は世話になり感謝している」

「いえ、こちらこそ過分なお礼を頂きまして、ありがとうございました」

「ところで、急に訪ねて来られたのは何か有りましたかな?」


実は…… 公爵様を訪ねて来るまでの経緯を話し、アントンの家庭教師を紹介して欲しいとお願いをしてみた。


「そんな事、雑作もない。直ぐに手配をしよう」

「ありがとうございます」

「しかし、4か月で大丈夫か?」

「それは分かりませんが、ダメでも一度試験の雰囲気を経験しておくのも悪くないかと思っています」

「そうか。なるべく優秀な者を派遣しよう」

「たすかりました」

「いや、良くわしを頼ってくれた。嬉しく思うぞ」


これでアントンの試験に向けた準備が整った。


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