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第百七十八話 懐かしい思い

今日はお店の定休日。アントン・マルサ―ル・キッカの三人は久しぶりに教会へ行くと言う事で俺は実家から貰って来た野菜などを持たせて見送った。

一緒に行こうと誘われてけど俺は俺でやりたいことがあったのでそちらを優先したかった。


一体何をしたいのかと言うと、うまいっ亭の大掃除だ。


うまいっ亭は今日も営業をしているので出来る時間は開店前と昼休み。それと営業が終わった夜だけ。しかし夜には3人が戻って来るから正味、朝と昼しかないのだ。

うまいっ亭のクリーニングは以前はお世話になっている感謝の気持ちで行っていたが、このところ忙しかったことも出来ていなかった。


3人を見送った足で隣に行き、仕込みを始めたばかりのタージさんとミハルさんに今日は店のクリーニングと昼営業で皿洗いをすると宣言した。昼営業に入るのは食器類のクリーニングも同時に出来るからだけどね。それでもこの二人には破格の約束で3人の食事を見てもらっているからどれだけ手伝っても恩を返せている気にはなれないでいた。


まずはフロアから。床から磨いていく。レーちゃんの羽を使えば瞬時に終わることは分かってはいるが、やはり身体を動かした方が終わった時の充実感があるから手を抜くことなく真剣に磨いていく。


床が終われば次は壁。テーブルとか椅子は営業中でも出来るからね。客が居ない時にしか出来ない場所から手を付けている。


初めて自分のスキルが分かってから間もなく3年になろうとしている。あの時から比べれば作業のスピードも上がっているし、レベルも上がっている。短時間で見違えるように変わって行くフロアが心地よかった。


そう言えばアントンを指導するようになってから自分でここまで作業に打ち込む事が無くなっていたことにも逆に気付かされた。


そんな事を思いながら作業をしていたらいつの間にかテーブルも椅子も開店前に終わっていた。


店は開店しても客は直ぐには来ないだろうと表の掃除をしようと外に出るとしっかりルーバとレーちゃんがスタンばっていた。


『お主、ここに居たのか』

『ご主人さまもお手伝いをしてるのなの?』

「そうだよ。たまにお掃除をしてあげてるんだよ」

『ご主人さまは凄いのなの~』

「ありがとう」

はやっぱりレーちゃんは俺の癒しだよ。


親鳥さんを探す…… までも無く、いつもの場所。向かいの建物の屋根の上でレーちゃんを見守っていた。

なんだかいつもの光景なのに3人が来てからまだそんなに経ってはいないけど環境の変化が思わせたのだろうか、どことなく懐かしいと感じてしまった。


誰だ? 年を取ったからだと言ったは! おれはまだ20代だ!! 終盤だけど……


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