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第百七十一話 忘れていたホンちゃん

作業初日の仕事を終えて実家に戻って来た俺は何かを忘れている事に気が付いた。ただ、それが何かを思い出せないのだ。なにせルーバの背で気を失う前の記憶が全く無いといっても良いほどだ。


何を忘れてるんだろう……


『おい、主殿よ聞こえるか! 聞こえたら返事をくれ』


??いま何か聞こえたような気がしたんけど……


「ルーバ、いま何か言ったか?」

『我は何も言っておらんぞ』

「そうか…… 何か呼ばれたような気がしたんだが……」

『それはホンではないのか?』

「ホン??」

『まさかホンの事を忘れたのではないだろうな! ドラボックルを従魔にしただろうが』


あっ…… そう言えばドラボックルに焼肉をあげたら従魔になったんだ…… 完全に思い出した!

スモールホーンドラゴンと言ってたからホンちゃんって名を付けたんだったよな……。


『おい主殿よ。いい加減に飯食わせてくれんか』

「ホンちゃんゴメンよ。今どこにいるのかな?」

『やっと返事が来たわい。今まで気を失っていたのか?』

「あっ、いや…… 心配かけてゴメン」


まさか今の今まで忘れてたなどとは言えないからな……。


『俺は村の外で待機しておる。早く迎えに来てくれ』

『そうだ。お主が気付くまで村の外で待つように我が言っておいたのだった。お主が説明せねば村が混乱すると思ったからな』

「それはありがとう。ホンちゃん今行くから待っててね」

『早くしてくれよ』


俺は実家を出ると急いで村の門まで走った。門番に新たな従魔を連れてくると事前に伝えてホンちゃんが居る場所に行った。


『主殿、遅いぞ。まさか一日以上待たされるとはおもわなかったぞ』

「ゴメンゴメン。今夜は一杯美味しい物を食わせてやるから勘弁してくれ」

『しょうがないなぁ~ ちゃんと美味い物を食わせてくれよ』


とにかく今は早くホンちゃんを連れ帰る事だ。


事前に話しておいたにも関わらず門番さんはホンちゃんを見て驚いていた。というか、村長に黙っては通せないと……。

まぁ~ こうなるだろうとは思っていたが、実際になってみると面倒臭い。村長に話を通す前にご飯を食べさせる方が先だ。仕方がないので村長を呼んで来てもらう間に門番さんの待機所でキッチンを借り、そこで空間収納から食材を取り出すと唐揚げを作りホンちゃんに食べさた。


ホンちゃんのお腹が満たされたころ村長さんがやって来た。


「チョコ坊がドラゴンの従魔を連れて来たと聞いたが、何処におるのじゃ」

「ここです」


満腹で腹を擦りながら寝ているホンちゃんを指さす。


「……いやにリラックスしておるのう」

「そうですね……」

「で、ワシも初めて見るのだが、何て言う種類じゃ」

「スモールホーンドラゴンで別名ドラボックル。名はホンちゃん」

『ドラボックルとか言うな!』

「あぁ…… ごめんよ」

「ホンちゃんか……。まぁ、チョコ坊の従魔なら良いじゃろ。入れてやれ」

「ありがとうござます」


こうしてホンちゃんを実家に連れて行くと同じ説明を家族にしたのだった。


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