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第百六十話 親鳥さんの尾行

今回の件は不用品の買取りを始めた事で当然考えられる事だったと、盗品を持込んだ客を見送りながらそう思いを馳せていた時にアントンが近衛隊を連れて来てくれた。

その中には副隊長のカルラさんも居た。


「チョコラ殿。お久しぶりです」

「お元気そうで何よりです」

「新しく従業員を雇ったのですね」

「はい。3人ですが孤児院から受け入れました」

「そうでしたか。アントン君でしたか…… 慌てていたようで要領を得なくてやっと店の名前を聞き出せました」

「すいません。人見知りが強い子でして……」

「構いませんよ。それより本題に入りましょうか」


カルラさんに買取った盗品を見せながら、親鳥さんが持ち込んだ男を尾行していることを伝え、戻って来てからが勝負になりそうだという事を確認しあった。



その頃、親鳥さんは屋根の上を移動しながら男を追っていた。

そうとも知らない男は周りを気にしながらメイン通りを避ける様に裏路地を歩き、とある古びた建物に入って行った。


親鳥さんは神力を使い、姿を消すと男と同じ建物に入って行った。そこには数人の男たちが話をしている所だった。


『主殿、聞こえるか』

「聞こえるよ」

『さっきの男が仲間と話をしている。その会話を送るから聞くか?』


親鳥さんが念話で思いもしない提案をしてきた。カルラさんに確認をしたら聞きたいと言ったので、聞こえてくる会話を俺が通訳する事にした。


「上手く捌けたようだな」

「はい。初めは数点だけと買い渋ってましたが、店主が全部買取れと店の者に言ってくれたおかげですべて買い取ってもらえました」

「そうか。それは上々。怪しまれはしなかっただろうな」

「はい。店の者にも変な動きも有りませんでしたからそれは大丈夫かと……」

「そうか。なら良い。で、いくらになった」

「金貨5枚です」

「思ったより高く買ってくれたな」

「はい。良ければまた買い取りたいと言っていました」

「そうか。でも同じところばかりだと足が付くからな」

「ではここに在る分だけでも高く買ってもらってこの後の仕事分は他でって事でどうでしょうか?」

「それでも良いが、連続して大量には持ち込みにくい。もう少し間を開けてからだ」

「了解しました」


その後、会話が途切れ解散となったようだ。


「窃盗団のアジトに間違いはないようだな。問題は人数だ。神獣様に調べられないか聞いてもらえなうだろうか」

「分かりました。聞いてみますね」


新たな任務を得た親鳥さんは楽しくなっていたのか二つ返事で引き受けてくれた。

そして姿を消したまま建物内を移動しながら全部で22人の仲間が居る事を突き止め、チョコラの元へと戻って来た。


親鳥さんに労いの言葉とおやつを出してあげたらレーちゃんと一緒に食べていた。

しかもルーバまで。きっと食い物の気配でやって来たのだろうが、これから活躍をして貰う約束でおやつを出しておいた。


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