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第十六話 創造って……なに?

チョコラは思い出していた。15歳で受ける適職付与の儀の事を……


適職付与の儀は15歳になったら教会で受ける儀式でこの時に適職を神託される。

殆どの人は15歳の誕生日に神託を受けるために教会に出向き、それにあった職業に就くことを多くの人が望み、実行していた。


チョコラの村は小さな村で教会がなく、歩いて二日。馬車で半日離れた隣の町にある教会に出向いているが、遠いと言う事も有り数人の子供が集まった時に村から馬車を出していたので、誕生日に必ずしも儀式を受ける保証は無かった。


運が悪いと言うのだろうか、チョコラには同じ年の子が居なかったのも一つの原因だろうが15になった年にチョコラが受けるはずだった適職付与の儀の事を忘れられていたのだ。もちろんチョコラは楽しみにしていたので両親には訴えていたが、生憎にもこの年は不作の年。大人たちは対策に追われていたのだ。


一人で隣町に行くには危険すぎるし、馬車は村に在るだけで勝手に使う事は無理。何度も両親に言ってみたが、そのうちそのうちと言っている間に儀式の事は忘れられ、チョコラ自身も忘れて行った。


神父さんに聞かれて儀式を受けていなかった事を思い出し、そこで初めて今まで仕事についても直ぐにクビになっていたんだと理解した。


「再生のスキルを活かすのにクリーニングは最適ね」と副院長先生が言えば、神父さんも「そうだね。ついでに教会も綺麗にクリーニングしてもらおうかな」って恐ろしいことを言い放った。



再生は理解できた。だけどもう一つの創造とはなんだろう。

意味は分かる。新しく作り出すことだけど、再生と何か関係しているんだろうか?


神父さんに聞いてみた。


「創造とは新しい発想を具現化すること。オリジナルともいうが、これは唯一人間だけに与えられた能力であり、生きている意味が実はここに在るのです。人は常に進化しています。それは常に新しい物を作り出そうとする力が進化の方向性を決定することになるとも言えるのですよ。平和を望んだ創造は平和の方向に進化し、争いを望んだ創造は争う方向に進化します。例を挙げれば『剣』を見てみましょう。平和の視点から見れば魔獣を退治し人の命を守る道具となるが、争いの視点から見れば戦争で人を殺め強者が弱者を支配する道具となるのです。このように同じ創造物でもどの方向性で作り出したかという事で使い方が決まると言っても良いでしょう。ですから自分の能力をどの方向に向けて進化させて行くのかを自分自身で決める事が大事なのです。だけど神が我らを作り導いているのは『愛』です。ただそれだけなのです。そして、我らは神の子であることを忘れてはなりません」


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