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第百五十二話 3人への課題(アントン)

3人を連れて服を中心に買い物を済ませて店に戻って来た。早々に着替えさせてこれからの話をする。


「これより3人それぞれに仕事の役割と課題を出すのでよく聞いておいてほしい。また一人では出来ない事も3人が助け合ってくれれば出来るだろうと思う。だから頑張って欲しい」

「「「はい」」」

「最終的な目標はみんなに独立して開業をして貰う事だ。期間は2年。次に孤児院から退院する子が出るまでだ。君たちが独立出来たら孤児院の子たちの受け皿になってあげて欲しい」

「「「はい」」」


その前に懸念であるスキルの問題を解決しないと話が進まない。それぞれのスキルを勝手にバラしても良いものかを考えたけど。各自の特性を知ってもらった方がこれから協力しやすいだろうと思い、説明すると3人の承諾ももらえた事で話を進める事にし、一番大事な事から伝える。


「ここで勘違いをしないで欲しいことがある。3人共に言えることだがスキルを持っていてもまだ開花していない。要はまだ使えるようになっていないと言う事だ。これからそれぞれに与える仕事はそのスキルを開花させることに重点を置いた。だから与えられた仕事を真剣に取り組んでほしい」

「「「はい」」」


初めはアントン。


「アントンが持つスキルは回復」


それを聞いて一番驚いていたのがアントン本人だが、他の2人もあ然とした表情で固まっていた。


「この回復スキルを持っていると医者にもなれる凄いスキルだが、それには医学学校に行かなくてはならない。そこでアントンにはクリーニング仕事を専門でしてもらう」

「わかりました」

「アントンには回復スキルが使えるようになったところで医学学校に通ってもらう」

「えっ、良いのですか?」

「かまわない。ただし、その為に給金の一部をこちらで貯金しとく。手取りは少なくなるけど医学学校を出るまで我慢しろ」

「ありがとうございます。でも2年で必要な分は貯まらないと思う……」

「心配するな。足りない分は俺が出す。アントンは頑張って医者になって貧しい人たちの力になってやってくれ。それがアントンへの課題だ」

「はい。頑張ります」


心なしか目に輝きが増した気がしたけど、心配なのは人見知りなところだ。これをどう克服していくかだが……


「アントン。先ほども言ったけどお前の仕事はクリーニングの助手だ。初めは受付からやってもらうからな。そこで人見知りを克服出来るように頑張ってくれよ」

「…………」

「大丈夫よ。私も協力するから」

「おう。俺もついてる」

「だけど……」

「お医者様になるんでしょ。患者さんと話が出来なきゃ治せないわよ」

「そうだぞ」


黙り込んでしまったアントンは他の二人から励まされながらも消え入りそうな声で「頑張ります……」と言うのがやっとのようだった。


ちょっと不安も残るが人は目的が出来ると化けると聞いた。今はそこに期待することにしよう。





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