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第百五十話 孤児院からの3人

商業ギルドに登録した翌日から不用品の買取りを始めた。結論から言おう。今は停止している。

置き場が無くなったのだ。何故かと言うとクリーニングするより買取って欲しいと言う新規のお客が増えたのだ。だからと言って今までのようなお客が減ったわけでも無い。



3人を受け入れるにあたり部屋の配分を変えた。店先の三和土とすぐ横の部屋はリサイクル品を並べる展示スペースに。その奥は倉庫で裏庭に近い3部屋をそれぞれの私室に与える事にした。そのせいで一階にクリーニングの仕事場が無くなったから裏庭の一部に作業場を新たに設けた。もちろんクリーニングの受付は店先で行う事にしている。ただ、誰かが遊びに来ても通せる部屋がないので、三和土に設置した商談テーブルを使ってもらうしかないなど、多少の不便さは我慢する事にしよう。

2階に3人の部屋を用意すれば問題は無いのだけど、俺の個人スペースを今は守りたかった。



受け入れの準備も出来た事を教会に伝えに行こうとルーバとレーちゃんを誘ったがルーバは付いて来なかった。余程子供たちの歓迎が堪えているのだろう。

子供たちに「オオカミさんはどうしたの?」って聞かれたが「今日はレーちゃんだけね」と誤魔化すしかなかったが、レーちゃんが遊んでくれたのが子供たちには嬉しかったようだ。


その間に神父様と園長先生、そして退院する3人とこれからの事を話し合い、明後日から俺の店に来ることで纏まった。


3人が来てから話をしても良いとは思ったが、事前に何をして貰うかを伝えておいた方が心積もりも出来るだろうし、神父様や園長先生も安心出来るだろうと思い話に加えた。


「ではアントン君にしてもらう仕事だけど……」


前回の顔合わせの時に密かに鑑定をしていたので適材適所とは行かないが、持ち合わせた能力を引き出したり、強化出来そうな仕事を振ってあげたいと考えて出した結果が、彼には俺の助手をして貰う事にした。彼は優しそうな風体に人見知りな所があり、能力的にも回復というスキルを持っていた。

このスキルは本来なら医者に向いているのだろうが、孤児院出身の医者は残念ながら居ない。それは医学学校に行かなければいくら回復スキルを持っていても医者にはなれない。それは国が決めた法なので仕方がないが、要は学校に行く学費が出せないのだ。だから俺の仕事を手伝わせながらゆくゆくは医学学校へ行かせることも考えてはいるが、その前に回復スキルを開花させないと話にならないからクリーニングを専門にやらせることに決めていた。


続いて、2人目のマルサ―ルにはリサイクル店の接客を任せる事にしている。彼は少しおおちゃくな所が有るが、面倒見が良く人当たりも優しい子だ。接客にはもってこいと言った感じだが、それよりも鑑定で見つけたスキルに真贋と言うのがあった。これは鑑定より精度が劣るが本物と偽物を見分ける事に特化したスキルだ。これを伸ばしてやればもしかした鑑定に進化させることが出来るかもしれない。こちらも育て甲斐が有りそうな子だ。


そして3人目キッカ。お転婆で気が強い女の子だ。この子のスキルは商人。真に商売をさせたら必ず成功させることが出来ると言う幻のスキル。店員に一人いるだけでもその店の繁盛が約束されていると鑑定に出ていた。これはクリーニングとかリサイクルとかでなく全般を任せて行こうと決めたと同時に、早く独立して店を構える事が出来るように支援をしてあげようとも思った。


期間は次の退院者が出るまでだ。早く育てて独立させたら次の子を迎える。そんな事が出来たらいいなと思う。その為に使える資金は十分ある。もし足りなくなったらレシピを売るか……


いかん。余計な事を考えたせいかリプトンさんの笑い声が聞こえた気がした。


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