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第百四十九話 タージさんが寝返った??

「まぁ~ そうくるだろうな」

「えっ、分かってたんですか?」

「あぁ~、登録に行くと次は早めにお願いしておいてくださいと言われたからな」


なんとか無謀な要求を無視して商業ギルドから戻って来た俺はタージさんに愚痴を聞いてもらうため、うまいっ亭に来ていた。


「しかし、俺が教えたレシピを全部登録してくれていたとは知りませんでした」

「あぁ~ お前が教えてくれたレシピでこの店もかなり儲けが出ているからな」

「それはタージさんの料理が旨いからですよ」

「それは否定しないが、お前に儲けを分けると言ってもどうせ受けとらんだろうから勝手に登録しておいたのさ」


確かに……。 俺はお世話になっているお返しにレシピを教えたけど、今まで教えたのは調味料系が殆どだ。もちろん料理自体も教えたけど、そこから先はタージさんの力であって俺ではないから分け前と言われても貰う資格は無いと思っている。


「それで、毎月一品のレシピはどうするんだ?」

「もちろんやりませんよ。ギルド長の私欲に協力する気はないし……」

「それは仕方がないんだ。リプトンの奴も今まで他の支部長共にかなり虐げられていたからな。やっと名誉挽回できるチャンスを手に入れたんだ協力してやれよ」

「えっ、タージさんはギルド長の肩を持つんですか?」

「肩を持つのと言うより、あいつは俺の友だからな。少しでも力になってあげたいでじゃないか」


えっ、ギルド長と友人……

いやいや、でも俺には関係ない。俺の本職はクリーニング屋だ。


「まぁ~ 俺も月1品とは言わないけど俺も新作レシピを考えてくれたら助かるしな。楽しみにしているよ。レシピ研究家様」

「タージさん…… 本来はタージさんの仕事でしょ」

「いや、俺はどうしても売れる物を主体で考えるからな、思考範囲が狭いんだ。それに比べチョコラは発想が自由というか、材料の選択が奇抜と言うか……それで旨いから驚かされる」

「褒めても無理な物は無理ですよ」

「そうか、ダメか。ハハハ………」


危うく丸め込まれるところだった。まさかタージさんがギルド長の肩を持つとは思っていなかった。俺はレシピ研究家じゃないって言うの!


結局、消化不良のまま自宅に戻って来た。


そう、今の俺はレシピより孤児院から受け入れる3人の仕事を作る方が先。その為に修理修繕と古物商の登録をしてきたんだからな。鑑定の能力も使えば適正な価格で仕入れも販売も出来るだろう。

とにかく明日から買取りの告知をして商品を集めて行こう。


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