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第百四十七話 そんな仕事はしてないです

商業ギルドでの用事を済ませると、職員さんの案内で連れて来られたギルド長の執務室。ドアをノックし声を掛けていた。


「所長、チョコラさんをお連れ致しました」

「入って頂け」


職員さんがドアを開け、入室を促されたので中に入ると「あぁ~ 我が救世主殿」といきなり抱き着かれた。


「ちょう離してください」

「お会いできてうれしいのです」

「判りましたから離してください」

「チョコラ殿にお会いする日をどれだけ待った事か!」

「取り敢えず離れてください」


こんなやり取りを繰り返し、やっと離れてもらえた。


「いきなり失礼な事を致しまして申し訳ありませんでした」

「いえ、ビックリはしたけど大丈夫です」

「申し遅れました。私は王都西部地区のギルド長をしていますリプトン・ハーソンと申します」

「チョコラです」

「存じています。お会いできるのを心待ちにしておりました。我が救世主殿」

「いや、救世主ではないですから……」

「とんでもない! チョコラ殿はこのギルドの救世主で間違いないです」

「えぇっと…… なんで俺が救世主何ですか?」

「ようこそ聞いてくださいました。実は…… 王都には商業ギルドが4支部ありまして、担当地域が決められているのです。なぜ一つで無いのか疑問に思うでしょうが、王都は商業規模が大きすぎるので事務効率の向上を図るために分割されているのです。あっこれは表向きの事です。本当はギルド本部より力を持たせたくないと言うのが理由だと私は思っています」

「はぁ……」


そんな裏話聞かされても俺には関係ないんだけど……


「それで、私もギルド長に就任するまでは気が付かなったのですが、王都の支部同士で成績争いというか、権力争いと言うか…… とにかく、王都の支部を牛耳りたいと言えば分かるかも知れないけど熾烈な争いをしていたんです。そしてこの西支部はどちらかと言うと下町で居住区が多く、商店も規模が小さいのばかりで他の3支部に対抗すら出来ない程の業績だったのです」

「そうなんですか……」

「そうなんですかって他人事のように……」

「他人事なんで……」


まだこの話聞かされるのか…… いい加減本題が聞きたいんだけど……


「会員になったからには他人事ではなくなるのですよ」

「どうしてですか?」


やべ、つい聞き返しちゃったよ。あぁ~また長くなりそうだ……


「それはですね、余りにも成績が悪いので北地区と統合しようと言う話が持ち上がっていまして、もし統合されたらせっかく努力して上り詰めた私の地位が…… いえ、この支部が閉鎖されたら北部まで行かなければ何も手続きが出来なくなり不便な事になるんですよ!」

「いや、その前に私の地位がってホンネが漏れてましたけど……」

「そこは聞き流してください」

「はぁ… 経緯は分かりましたが、なぜ俺が呼ばれたのかが分からないんですが……」

「そうでした。実はですね、チョコラ殿が私のギルドで登録して頂いた色々なレシピの売れ行きが良くそれだけで今まで念願であった北地区の成績を抜くことが出来たんです」

「それはおめでとうございます」

「それもこれもすべてチョコラ殿のおかげ。西地区の名誉会員と言っても過言でない程に感謝しています」

「あ…ありがとうございます?」

「それで、ここからが本題なのですが……」


やっと本題か、長かったな。


「いえ、お願いなのですが、月に一品の新作レシピを発表して頂きたいのです。少なくとも3年。いや2年でも良いです。チョコラ殿のレシピの売れ行き次第では北地区との統合案は無くなり、場合によっては逆にうちが北を飲み込めるでしょう。そうすれば私の地位ももっと上がります」


なに~~~ お前のためにそんな面倒くさいこと出来る訳ないだろう。


「お断わりします」

「何でですか!」

「そんな仕事はしてないですから!」


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