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第百三十六話 新たな提案

いま俺が買取った服は男女物合わせて300着を超えていた。中には俺が知らない人まで持って来たのでそこは丁重にお断わりをしたさ。でも2~3枚だけなら良いかと安易に買取ったのが間違いだったと後悔したよ。


さて、問題はこれをどうするかだね。これだけの数はいくら地方の町でも売れないだろう。

型は古いと言えども生地は良いものを使っているから再利用しないのは勿体無い。


そうだ。良い事を思いついた。これを実現するにはジュグレさんの知恵を借りようとコミュレットにやって来た。


業者用の門で面会を申し込んだら即ジュグレさんの執務室に通された。部屋まで案内をしてくれた人に聞いたら俺が来たらジュグレさんが留守にしていな限り即座に案内するように言われていたのだとか。


「チョコラさんお久しぶりです」

「ご無沙汰をしています。突然来てお仕事のお邪魔をしてすいません」」

「いつでも歓迎ですよ。それよりもっと気楽に遊びに来てください」

「ありがとうございます

「ささ、お座りください。今日は例のチケットをご利用しに来られたとか?」

「いえ、そうでは無くて……」

「それは残念な。厨房の者もチョコラさんに腕を振るう日を楽しみにしていますのに」

「ありがとうございます。今日は別の事で相談したいことが有りまして伺いました」

「私に相談事ですか…… お聞きいたしましょう」


それから古着の買取りに至った経緯を簡単に説明し、ここからが本題だ。


「ジュグレさん。この古着を貸し出して庶民でも気楽に結婚披露宴が出来るようにしませんか?」

「ほう~ それは面白そうですね。具体的に聞かせてもらえませんか」


この国では教会で婚姻の儀を受けてそこで祝福されるだけと言うのが基本で王族や貴族を除いては庶民に披露宴は程遠いものとされている。しかし、庶民の間でも披露宴を夢に見ている女性はかなりいた。

俺は持って来た服を見せながら説明を続ける。


「この服ですが、多くはリフォームが必要ですが、そのまま使えるのも中には有ります。そしてこの服を披露宴用の衣装として無料で貸出すのです。利益は料理で取れるからお店として損はしないと思います」

「私の方は構いませんがチョコラ殿の利益はどう出すのですか?」

「俺には使用後にクリーニングのお仕事を頂ければいいです」

「相変わらず欲が無いですね」

「少しでも安く俺たち庶民の夢が叶えられたそれで」

「分かりました。ではその服をこちらで買取りましょう」

「えっ??」

「全部買取り手直しもこちらで致します。それならチョコラ殿の負担も軽くなるでしょう」

「それは助かりますが……良いのですか?」

「もちろんです。今回は良い提案も頂きましたからそれなりのお礼も用意いたしますよ。さっそくうちの者に取りに行かせましょう」


こうしてコミュレットの馬車で家に戻り、買取った服を全て渡した。


新作「魔王の息子は世界を救う??」も始めましたので、よろしければそちらも合わせてお読みいただけたら幸いです。【作者マイページ】からお願いします。

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