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第百三十二話 ひたすらに。ただ、ひたすらに

思わぬ事態になったとはいえ、これが俺の本業である。山になっている衣服を見て自分に喝を入れてみた。とにかく仕事だ。


取り敢えず分類から。生地や装飾の多さなど細かく分類して行きそれから洗濯の開始だ。

一つ一つ状態のチェックをしていきながらの分類はそれだけで二時間近く掛かった。

明日からは受け取った段階でチェックと分類をして行こうと思った。


庭でいつものように大きな桶に石鹸水を作る。10分程漬け込んでから洗いの作業だ。

濯ぎに移ると同時に、次の物を漬け込んでおいた。そして、濯ぎが終われば脱水して乾燥だ。

火魔法と風魔法で乾かしながら形を整えていく。


これの繰り返しだな。


『ご主人さま。レーちゃんの羽は使わないのなの?』

『レーに飛んで貰えは一瞬で終わるだろうが……』


いつの間にか戻って来たルーバとレーちゃんに声を掛けられた。


「そのうちに頼むかもね。今は身体を動かすよ」

『好きにするといいさ』


そんなやり取りも有ったが、全ての作業が終わったのは深夜近く。1人でこなすにはやはりかなりの量だった。


翌朝、なんだか外が騒がしい。窓からそっと覗いてみると手に衣服を持った客が既に待っていた。

窓から覗いただけなので何人いるかまでは分からないけど、開店待ちされているのは確かだな。


開店と同時に客がやって来た。今日も依頼は服ばかりだ。昨日の反省も踏まえチェックしながら分類をしているので一人に使う時間は伸びたが、この後の事を考えると差異は無い。それより、山になってから分類するのは精神的に良くないと感じたからそれが軽減されるだけでメリットがあった。


しかし、いつまで経っても客足が途絶えない。開店してすでに3時間。すでに昨日の倍はありそうだ。

受付を中断して外を覗くとまだまだ行列が減ってないように見えた。これ以上は無理と以前も使った整理券を取り出して並んでいる人に配り、店頭に張り紙を2枚した。【本日の受付は終了しました】【ただいま整理券をお持ちの方のみお引受致しております】


やっと受付が終わった。すでに昼を回っていたので作業の前に食事だけはしておこう。またミハルさんに叱られるしね。


ルーバとレーちゃんは張り紙を出した時にチラッと見た時にうまいっ亭でアイドル犬をしていたから要らないだろう。親鳥さんの分だけ用意…… やっぱルーバとレーちゃんの分も用意して置くか。


昼飯に親鳥さんを呼んだらルーバとレーちゃんも戻って来ていた。


「ルーバは隣で食べたんじゃないのか?」

『食ったぞ。でもお前の飯は別物だ』

『レーちゃんもご主人様のご飯食べるのなの~』


うん。二人にも作って置いて正解だったな。みんなで昼飯を食べ終わるとうまいっ亭も昼休憩らしくルーバは昼寝をしだし、それを横目におれは預かった衣服の洗濯をひたすらに、ただひたすらにするのであった。


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