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第一話 適正職業は「クリーニング屋」

はぁ~ またクビだよ……


王都に出て来て5年。なんとか仕事に在り付くも半年もしないうちにクビになる。決まって言われるのが「普通は3か月も居たらそれなりの資質が見えるがお前からは見えないんだよ。いつまでもココに居るより違う仕事見つけなよ」と、もう聞き飽きたセリフを今回も言われ、職場を後にする。


今度こそ、今度こそと既に10種以上の仕事を経験したが、俺に合った仕事ってなんだ……

そんなことを考えながら歩いていたら停まっていた馬車にぶつかり強く頭を打って意識がストップした。


次に意識を戻したのは見覚えの無いベッドの上だった。


「先生。患者さんが目を覚ましました」


患者さん?? ここってどこ?


「気が付かれたようですね。ここは診療所ですよ。あなたは止まっていた馬車にぶつかりその反動で倒れ、頭を強く打って意識を失くしていたんですよ」


そうだ……考え事しながら歩いていたら何かにぶつかったんだ……


「ご自分の名前は言えますか?」

水無月(みなづき) (みどり)


えっ?? 水無月 碧って誰だ???


「あの……チョコラ。チョコラです」

「チョコラさんね。年齢は?」


「32……じゃない。23です」

「まだ少し混乱しているようですが、心配はなさそうですね。だけど用心をして今日は泊まって行ってもらいますよ」


クビになって金が無いのに入院か……とんだ厄日になった……



病室に案内され、安静にしていてと看護師に言われベッドに横になった。



夢を見ていた。色々な機械が動く暑い部屋の一角で染み抜き作業をしている俺が居た。その後は服にボタンを付けたり、小さな穴を目立たないように塞いだり…… 何処で何をしているのかさっぱり分からなかった。

「碧。これも頼む。染み抜きだ」

「おう。置いといてくれ」


碧? そこで目が覚めた。


アレは確かに俺だったよな…… しかも碧と呼ばれてたし…… そう言えばさっき、水無月碧って俺が言ったよな…… なんでだ??


そして再び同じ夢を見た……



翌日、家に戻り昨日の夢を思い出していたが、やはり何も分からないまま日が落ちて来たので、食事をとるため街に出た。


適当な店に入りテーブルに座る。俺は酒が飲めないので注文した料理が出てきるのをただ待っていた。


「ご一緒させて頂いてよろしいでしょうか」


声が聞こえた方に顔を向けると、そこには到底この店には似遣わない純白のドレスを着た美女が居た。

余りの美人に直視するのが恥ずかしくなり視線を外してしまった。


「貴方。適正なお仕事を分かっていないようですね。顔に出ていますわ。クリーニングをなさい」


クリーニング? 初めて聞いた職業だ。どんな仕事か聞こうと思い、再び視線を上げるとすでに女性は居なかった……


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― 新着の感想 ―
[一言] 読んでいて楽しくほのぼのした笑いに溢れた 作品ですね。毎日楽しく読んでます。 でもあっと言う間に読み終わりそうです。 読んでいて楽しいからですね。
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