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フラれてすべって転んで気づけばそこは異世界でした。

初めての小説投稿ですが。

ご拝読のほどよろしくお願いいたします。

土倉(どぐら) 賢一(けんいち)、31歳、男性、独身。

中堅商社に勤める出世欲のないサラリーマン。



訳あってエルンハイム王国という国で財務大臣をしております。

え?エルンハイムなんて国を聞いたことも無いですか?


はい、そうです。

所謂、異世界転生ってやつです。



元の世界のときに彼女が二股しているのが発覚して、

さらにフラれて、そしてヤケ酒をしてべろんべろん。

酔いつぶれて馴染みのバーから帰ろうと

階段下っていたら足を滑らせ後頭部を強打。


まぁ、そこまでは覚えているんですよ。


次に気が付いた時には

綺麗な天井と、心配そうにこちらを見つめる金髪美魔女。

あぁ、やっぱり俺の母親はいつ見ても美人だなぁ……


ん?あれ?うちの母ちゃんは黒髪の日本人で

しかも3年前に病気で亡くなっているはず。


母ちゃんに病気が発覚して余命半年だったけど、

きちんと看取れて良かったなぁ……

母ちゃんのオムライスまた食いてぇなぁ……


いやいやいや、そうじゃない、

母ちゃんの思い出に浸ってる場合じゃない。


でも目の前にいる金髪美魔女も確かに母親だ。

頭はそう認識している。

少し混乱していると、今にも泣きそうな震えた声で

金髪美魔女が私に喋りかけてきた。


「あぁ……ケイン……目を覚ましてくれて良かったわ……フランツ!お医者様はまだかしら?」

「はい、奥様。すでに手配しております」


う~ん……ケインという名前も違和感なく受け入れてしまっている自分がいる。

というよりも頭では自分の名前として認識している。


そして、この、いかにも出来そうな執事であるフランツも

初めて見るはずなのに幼い頃から知っている。


どれもこれも、誰もかれも、初めて見るはずなのに、

昔から知っているという既視感とは違う別の何かが

ベッドに横たわる私を混乱させた。


「ケイン様。どこかお加減が優れぬ個所があるのでしょうか?」


「いや、大丈夫だ。心配ない」

フランツの声で我に返り、

上体を起こしながら問いかけに返答した。


「痛っ……!」


「大丈夫ですか!?」


脇腹にかなりの痛みが走り思わず痛いと声が漏れ、

近くいたメイドとフランツが私に駆け寄ろうとしたが

私は大丈夫と意思表示するように手で制止した。


「カイン様、失礼ながら落馬した際に脇腹も強打しておりますのでお気を付けください」


「あぁ、わかった」


ケインには2日前に国王から王都への召集命令がでていた。

護衛を付けて出立したものの、

出立してすぐの森で突然出てきた魔物に襲われてしまい、

不意を突かれて驚いた馬が暴れてしまい落馬、

魔物は護衛が退治してくれたものの、

頭を強く打ったケインは意識不明になってしまい、

2日間にしてやっと目を覚まして今に至るというわけだ。


どうやら元の世界で足を滑らせ後頭部を強打した私はそのまま絶命したのだろう、

そして何の因果か、記憶と人格が同じく頭部を強打したケインに

異世界転生してしまい記憶は融合し、

人格に関しては上書きされてしまったようだ。


異世界転生モノは好んで読んでいたよ?

確かに元の世界の母親は3年前に、

父親は大学卒業直前に他界していたし、

親類も葬式で初めて会ったような遠い親戚しかいない。

生き別れるのを惜しむような親友もいない。

結婚を考えた彼女には二股をかけられた挙句、こっぴどいフラれ方もした。


……。

あれ?なんか泣きそう……


いや、でも、まさか自分がそうなるとは思ってもみないじゃん……

とりあえず、すまん……ケイン君……


俺の好きな転生系なら一回神様に合うステージあるじゃん!

それはないの!?スキルとかは!?


「……やはり他に優れぬところがございますか?」


「いや、大丈夫だ……ただ熱があるようだ。横になるよ」

様々なことに思考が追い付かず固まっていた私は

再度フランツの声で我に返った。

一人になって落ち着て考えたいし、実際に熱もある。



「母上には御心配おかけしました」


「ほんとに大丈夫なの?何かいる?すぐに用意させるわよ?」


「ほんとに大丈夫ですよ。ただ頭がフラフラするので横になりますね」


「でも……」


「奥様、ケイン様の事故以来あまりお休みになられていないと存じます。」

「ケイン様もお目覚めになられましたし、わたくしがお傍におりますので今はお休みに頂いて大丈夫ですよ」


「そう……フランツがそういうなら……」


フランツが気を利かせ私の部屋にいたがる母をうまく誘導してくれた。

コイツ……やはりできる!

ありがとうフランツ!


その後、医者が到着し診察してもらい、

異常は見られなかったが私は三日三晩、

原因不明の酷い頭痛と高熱をだしうなされ続けることになる。

まぁ、前世の31年間分の記憶が突如として、

強制ダウンロードされるのだから、頭痛と高熱も出て当たり前だろう。


私は、酷い頭痛と高熱という状態で朦朧とする意識の中、

異世界転生した事実を受け止める事しか出来なかった。

お読みいただきありがとうございました。

これから少しずつですが投稿しようと思います。

次回をお楽しみに!

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