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ショタ魔王は、魔力が溜まって仕方がない!  作者: 飢餓 模倣
第1章  魔王は、人間の街へ 「始まりの日」
1/4

「人間」と「魔族」

「アセンフィル大陸」

 

まだ誰も果てを知らない、無限に広がる地。

この大陸は、遙か昔から北と南に分かれていた。


北は「人間」の住む領域、南は「魔族」の住む領域。


誰が決めたのかは誰も知らなかったが、誰も疑問を抱かなかった。


人間と魔族は外見的には似ていたため、たまに魔族が人間の街に訪れてきても、人間達は受け入れていた。


人間の領域は土地が豊かなため、上質な食料を提供し、魔族は見返りとして美しい色の鉱石を持って来る...というように、種族間での平和的な交流は続いていくと思われたが...




ある時、人間は気付く...


魔族は人間よりも強い肉体を持つ事。

「魔法」という不思議な力を使うことができる事。

背中に黒い翼が生えている事。

よく見たら顔がちょっと怖いかもしれない事...



それ故に人間は魔族を恐れ、「魔族マジやべぇ」が流行語となり、魔族が来る度に「来たのかよ...」的な空気を醸し出すようになってしまい、誰もが「いつか襲ってくるのではないか?」と身構えるようになった。




一方、魔族も気付く...


人間の食べ物って本当に美味しい!すげぇ!

あと、人間って非力で超可愛い!

あと...



「なんか俺達、恐がられてね!?」



前はそんな事無かったのに...

仲良くしたいと思ったのに...

裏で「魔族マジやべぇ」って言われてる...



魔族達は、深い悲しみに包まれた...

それでも、いつかは人間も分かってくれるだろうと思い、彼らは友好的に接し続けた。




そんな中、決定的な出来事が起こる。


ある日、人間の男が物陰から魔族達の話を盗み聞きしていた...




(あいつら絶対怪しいぜ...あいつら魔族らしいから絶対何かあるぜぇ...)



「いやぁ、本当に美味しかった」

「あぁ、特に『牛』とかいう奴の肉は絶品だね!」

「もうウルフの肉なんか食いたくなくなっちまうよ」



(よく聞こえねぇな...美味しいとか...飯の話か?)



彼らはいつも通り、観光を楽しんでいただけだったのだが...


「『人間』の食べ物って何でも『美味い』よな」



(......ニンゲン......ウマイ......ハッ!?)



この二つの言葉が男の脳内で混ざり合った結果

恐ろしい答えが導き出されてしまった...!



「キャアアアアアアアア!食べられるぅぅぅ!!!」



その男は、街中の人に「魔族は人間を食べる」と広めて回ったのだ。

恐怖で顔をくしゃくしゃにしながら。全力疾走で。割とキモい走り方で。



以前から警戒していただけに、街の自警団の動きは迅速だった。



その日、街に訪れていた全ての魔族と、街中を変な顔で全力疾走していた男が捕らえられた。




『魔族の立ち入りを禁じる』



この日から、彼らは人間の「敵」と見なされたのだ。


当然、彼らは納得出来ず、何度も交渉したが...

結局、人間は聞く耳を持たず、捕らえた魔族を解放することもなかった。



これが、戦争の引き金となる。



それから数百年が経過した今でも....



『魔族』は『人間の敵』だ。



「誰が決めたのかは誰も知らないが、誰も疑問を抱かなかった」




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