進学塾の逆襲
「ゆとり世代ッ」と吐き出し、
部下の失敗に対する怒りをぶつけることは簡単だ。
でも本当にそうだろうか?
あなたが「ゆとり世代」と言ってレッテルを貼った部下は高学歴?
「仕事は勉強とは違う」と揶揄して、自分の学歴を卑下しているだけだろう。
と言うのも、彼らは違うのだ。
そもそもゆとり世代ではない。
ゆとり世代とは、自分たちの子供と差別化を図るため、
公立学校に通う子供の学力低下を狙った官僚どもが計った産物なのだ。
だから小学校から名門私立学校に通った、あなたの部下に当てはまらない。
でも、この世代が仕事の壁にぶち当たっているのも事実だろう。
勉強とは異なり、思ったような結果がでないから。
それで苦労して入った優良企業を辞めてしまうのだ。
その原因に薄々世間は気づいる。
それは進学塾のせいではないだろうか。
それも優秀すぎる進学塾。
彼らは効率的な勉強方法のノウハウを蓄積し、
優秀な講師を雇い入れ、それを生徒に施す。
すると、どんどん生徒の成績が上がって行くのだ。
すぐに理解する生徒、じっくり基礎を身につけて方が良い生徒、
生徒の個性を見極めて指導していく。
成績が上がれば生徒も頑張る。
この好循環で成績が上がって行くのだ。
これとは逆に仕事は先が見えない。
世の中は何が売れるか分からない。
良い商品が売れるとは限らない。
「誰が欲しいの?」と言いたくなる物でも、
ちょっとしたキッカケで大ブームになることがある。
しかし、常にこの正解を会社に求められる。
でも、正解と言っても新製品10個に1つ、いやもっと少ない、
数十個に一つ、いやまったくない可能性もある。
ここが勉強と違うところだ。
答えは簡単に見つけられない、また頑張っても成果が出ないのだ。
だったら、どうするればいい?
簡単な方法は諦めることだ。
どうせ正解なんてないんだから。
そんなことはプライド許さない?
進学塾に通い好成績を収めた者は、ここで挫折を感じてしまう。
感じなくてもよい挫折を。
停滞することが怖いのだ。
他人が自分の先を行ってしまうようで。
だったら正解を出そうと思わず、
ベターな物なもの、まあ正解の近似値を出す事を良しと思えるようになれば、
少しは気が楽になるかもしれないのに。
でも、それができないのだろう。
こうして進学塾で勉強を身に着けることが、世間で疑問視されるようになった。
そして、それを証明するように挫折し絶望する新社会人が続出していった。
その噂が出始めて翌々年のことだった。
世間の周知になった時には、すでに進学塾の逆襲が始まっていたのだ。
それは、出世塾だった。
進学塾OBに対し、出世塾への入塾を図ったのだった。
出世塾は社会人に対し、効率よく仕事をする方法などを教えた。
また塾生どうしの横のつながりで、仕事を広げる場を提供した。
一つの良い例を挙げよう。
進学塾OBは都市銀行や地方銀行などの金融機関に就職する人が多かった。
優秀な大学を優秀な成績で卒業するので、自然とそうなった。
銀行員になってまず困るのが、預金のノルマだった。
親族、知人に頼んでも、すぐに限界がきた。
そこで悩みを進学塾の講師の相談したのだ。
講師は同じ悩みを何人から受けていた。
「銀行は違うけど、塾生どうしで定期預金口座を作ればどうだろう」
提案された皆は、すぐに頷いた。
本来なら自分の銀行の預金額を増やすべきだが、
背に腹は代えられなず、お互いに定期預金を作り合った。
しかし、それもすぐに手詰まりとなった。
「どうせなら、お客さんも交換しないか」
ある塾生が提案した。
その彼はずっとお客さんに対して懺悔したいことがあった。
それは、ある老夫婦に対してだった。
信頼関係を築き、多額の預金をしてくれている。
しかし、一銀行にこんなに預けていいものだろうか、
と彼は疑問に思っていた。
それはペイオフだった。
銀行が倒産した場合、預金保険機構が保証するのは1千万円だけだった。
分散して預金した方がいいのでは?
そんな思いから提案してみた。
提案を聞いた塾生は眉をひそめた。
自分の銀行の顧客情報を渡すわけにはいかないという思いが躊躇させた。
しかし、そう言ってもいられなかった。
ノルマはそれ程厳しいのだ。
そして塾生どうしで秘密裏に顧客の交換をしあった。
彼らはそれによって、好成績を上げることになった。
しかし、意外なことに顧客からの信頼も上がった。
「そこまで心配してくれて、ありがたいです」
とある資産家の老夫婦にそう言わしめた。
そして、塾生はみな、文字通りに出世したのだった。
この評判が世間に知れ渡ると、進学塾への批判が減った。
今もなお進学塾、出世塾の快進撃は続いている。
さらには定年塾・・・
でも、長編小説をかけるコツ、文章を上手く書けるコツを教えてくれる塾はないかなあ~
一応ネタ作りには自信があります。
特に数に、質は気にしない様にしています。
とにかく、書いてまともな小説が書けるようになりたい!