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patrick.

風の終わるところの、地面いちめんに

海を塗りたくった。

いろいろなものを浮かべた。

緑色の島々だとか、鈍色の貨物船だとか。

やがて赤錆の雨がそれらを台無しにした。

あくる朝、陽光のなかにヒルガオの花が揺れていた

そこから風景がこぼれ、半島の向こう側まで広がっていった。

すべてが元通りになった。

村人たちは鐘を鳴らし、のろしを上げた。

船が一年ぶりに帰ってきたのだ。

私は、よれよれの軍服を着た祖父と一緒に、

丘の中腹のサトウキビ畑からそれを眺めていた。

ふと横を向くと、祖父の姿はなかった。

海から風が吹いた。サトウキビがさらさらと靡いた。

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