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8話 訓練場2

「良いでしょう…見せてあげます。白神流 白銀の舞を!」



藍璃は小太刀を鞘に直し“氷華”を両手で握った。

そのまま突きの構えにユルユルともっていき…



「……ふっ!」



一瞬で、銀閃が龍司の喉元に走る!

その切っ先を龍司の手刀が迎え撃つ…が、ぶつかることなく藍璃はふわりと軽く身体を沈ませ今度は胴切りに銀閃が走り、それを手刀が又しても迎え撃つ!


キ、シャャ~~ン…


金属が擦れる音が鳴り響く…


その後も藍璃の身体はゆるりゆるりと動き続け、幾重の銀閃が龍司に襲いかかるが、龍司は手刀で迎え撃ち、軌道を変え…



しゃりぃぃぃぃぃ~~…ん



徐々にスピードが上がり、次第に金属が擦れる音ではなく…



しゃりぃぃ~ん…


りぃぃ~ん…


…りぃぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!





鈴のような音が訓練場に響き渡った。

2人の腕は残像が僅かに残る程度で、ほとんど見えない。

しかし、身体はふわりふわりと動くのみ…

明らかに腕と身体の速度が合っていない…が、


2人は踊るように刃を合わせている。それはあたかも、2人だけの舞踏会を舞っているように呼吸がピッタリであった…


その光景をその場に居合わせたガルフォート他10名は呼吸も忘れて魅入っていた…


しかし、永遠の時というものはなく、2人だけの舞踏会にもやがて終演がやってきた。


藍璃の頬は紅潮し、瞳には確固たる意志が宿ってはいるが…力及ばず徐々に押されはじめ…

次の瞬間、膝から崩れ落ちる。


2人だけの舞踏会はこうして幕を閉じた。







完全に崩れ落ちる寸前で龍司は藍璃を抱え上げ…

「ラファエル!」

「はい!」


龍司の呼びかけに即座に現れたのは、白い布を身にまとい髪は背中位までで、まさに美を顕したような姿で、2(・・)の羽を広げ、所謂エンジェルリングを頭につけた…主殿を守護せし天使長が1人ラファエルがその姿を表す。


「ギリギリの状態だ!すぐに癒せ!!」

「は!『優しき風よ、かの者を治癒せよ! 癒しの(モーリ・アティス)!』」


藍璃の身体が淡い光を放つ…


しばらくすると、藍璃から放たれていた光がおさまり、藍璃が目を覚ました。


「うっ…」

「起きたか。身体に異常は無いか?」

「えぇ…」

「では、ご主人様。私は戻りますね?」

「あぁ、ありがとうな。」


ラファエルも一瞬で消え、訓練場の真ん中には、藍璃と龍司だけになる。


「うぅ…って、は!龍司君!」

「あぁ、悪いな。挑発するようなことを言って。」

「龍司君……二度と…二度とああいう挑発は止めて!!」

「お、おぉ…悪いな…」

「許すのは今回だけですからね………で?私の実力はどうでした?」


龍司は藍璃を下ろすと(藍璃はムッとしていだが…)、ふむ…と腕を組み、


「太刀の扱いは流石だな、二刀流はもう少し向上の余地があるし、それ用の技も覚える必要がある。問題は魔法関係だな、最初の光刃(こうじん)以外に何かできる?」

「出来たらしてるよ~…」

「そ、そうか…」


何とも情けない声を出し、上目使いで恨めしい目を向けてくる藍璃に少々癒された龍司だったが…

それはさておき…


「まぁ、今まで魔法の無い世界で生きてきたんだ。直ぐに使えという方が無理な話だよな…

まぁ、そこら辺はボチボチやるとして、これからは早急に二刀流の扱いと闘気の扱いにも慣れることと、それに合わせた魔法の発現をやっていく…か。

魔法単独はもうちょっと先でやろうと思う。」

「了解しました。師匠!」


思いっきりずっこけた龍司は、むくっと起きあがると…


「…何故に師匠?」

「え?だって教えてもらうんだから…」

「よし!次に俺のことを師匠と呼んだら教えてあげない。今まで通りに呼ぶこと。」

「え~…わかったよ。じゃあよろしくね?龍司君?」

「あぁ、こっちこそよろしくな!」




藍璃の最初の訓練が終わった…もうちょっと長くする予定だったのに…

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