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23話 異変11


龍司が部屋に戻るとアリアがロッテをベッドに寝かせ看病していた。


「リ、リュウジ様!勝手にベッドを使ってしまい申し訳ありません!」

「いいよ。治療してやるって言ったのは此方だしな…よっと!」


そう言いながら、龍司はロッテを抱えあげた。


「さて、着いてきな…『開け』」


突如、部屋に扉が現れ龍司の言葉と共に開かれた。


「こ、これは?」

「俺は、属性に空間ってのがあってな。此処はその空間なんだよ」




そこは不思議な世界だった。

空気は澄み渡り、穏やかな風がふき、近くの川では清らかな水が流れている。

ふと目線を左右の先へやれば、様々な種類の食物が実をつけている畑が左手に広がり、右手には水田が広がっている。

その真ん中を一本の道が通っており、その横にロッジが建っている。

道の終わりは見えない…


そんな長閑な場所を、どんどん進んで行きあるロッジの扉まで行くと…


「シルフー、居るか?」

「は~い。居ますよ~」


ガチャ


扉を開けたのは6枚の羽を広げた精霊だった。


「この娘の治療をするから準備なー」

「は~い」


パタパタと奥に入って行った。

其を観ていたアリアは目を点にしていた。

更に、ロッジに入ってアリアはポカーン…としてしまった。



「リュウジ様!?今の精霊ですよね?6枚羽の精霊…って大精霊ですよね!?しかもこの目の前の大木は何ですか!?かなり樹齢を重ねてますよね!?格がかなり高いですよね!?」

「…落ち着け、後で説明してやるから。」

「龍司様~、準備出来ました~」

「おう、じゃあ行くぞ」

「は~い」


フワッと自分とアリアの身体を浮かすと大木の中程にあるベッドにロッテを寝かせた。



「急激かつ限界以上の魔力放出を強制的にやられたから、先ずは魔力回路を癒す必要がある。この大木は清らかな魔力を放出してるから、此処で少し寝かせておこう。ついでに微量ではあるが、魔力も回復出来るしな」

「微量なのは龍司様だけですよ~。普通は2時間も寝たら、完全に回復出来ますよ~」

「ん?そうなのか?」

「はい~」

「じゃあ、帰るか。シルフ、後は頼んだよ?」

「お任せ下さい~」


龍司はアリアを連れ扉の前まで降りると入って来た扉の()の扉を開けて進んだ。

そこはアルバロス城内の龍司が使っている部屋だった。


「…え?」

「ん?…あぁ、一々歩くのが面倒くさかったから、扉を繋げただけだ。ハァ~…レン!居る?居るならコー「失礼します。コーヒーをどうぞ」…おぉ…」


龍司が声をかけるとレンが部屋に入り、コーヒーをカップに入れテーブルの上に置いた。

龍司はと言うと、椅子に座りグテー…とテーブルに腕を伸ばし顎を付けた。


「まぁ…アリアも座れ…何か飲むか?」

「あ、では私もコーヒーを…「どうぞ」…ありがとうございます」


龍司がチビチビとコーヒーを飲んでいると、スッとレンがクッキーの入った皿を龍司の近くに置いた。

視線を向けることなく、そこに手をだしクッキーを食べ始める龍司…




コンコン


部屋の扉を叩く音がして…


「どうぞ~…」



龍司の声かけに入って来たのは、ガルフォートに王妃、そして王女であった。





「龍司よ…先ずはこの城をこの国を守ってくれたことを感謝するぞ…ありがとう!」


そう言って、ガルフォートを始め、王妃と王女が頭を下げる。


「別に…ついでだついで…気にすんな…」


相変わらず、グテー…としている龍司にガルフォートは苦笑をもらす。


「先程とあまりにも違うのぉ…」

「そりゃ休めるときに休まんとね…」


そう言って、再びクッキーに手をだしポリポリと食べ始める…

その場に居た者は皆、小動物を連想したという。





…が、龍司の次の一言で、顔色が変わった…


「…だって、まだ序章だし。本番はこれからこれから…ふぁ~あ」

「リ、リュウジ?それはどういう事なんだ?!」

「とりあえず…レン、昼御飯…まだ?」


龍司の適当ぶりに誰も何も言わない…どうやら皆、耐性が付いてきたようだ…良いことなのか悪い事なのかは分からないが…

昼御飯には少し早い時間たが、龍司を含め全員が食べる…






「さて、リュウジよ。先程のが序章と言ったな?…これから何かおこるか分かるのか?」

「んー?あー…まーねぇ……あー、エルフの首都で何が召喚されるかによるが…召喚されたものによってはー…俺が動く必要がある」

「む…たが、どうやって知るのだ?流石に、向こうを直に知る事が出来る様なものはないぞ?」

「その辺はー…なんとかなるから良い」


そう言って目を瞑る龍司…




「おや、漸くか……………あー本気だしてないなぁ……あ、やば…あーあ………はぁー?何この馬鹿…」


突然呟き始めた龍司に皆、何事かと視線を向ける。


「なぁガルフォート…ルーナって名前のノモルワ王国の王女いない?」

「確かに居るが…その者がどうかしたのか?」

「いや…ソイツって戦況も見極められない馬鹿?」

「まぁ…戦争なんぞ、したこと無い筈じゃが?」

「そっか…はぁ…やっぱりアホか…」

「その者がどうかしたのか?」

「いや……あーあ…ヤツなら俺が出るしか無いじゃねーかよ」


そう言いながら、龍司は立ち上がりテーブルの上に1つの指輪を置いた。



「こいつに魔力を込めれば、向こうが見えるから観たければ観な。あ、アリアは後から喚ぶからそのつもりでな…さぁて、行くか」



そう言うと、指輪に腕を突き出した。


!!


突き出した腕が消え皆一様に驚いた表情を見せた。



「リュウジよ!そ、それは…「ん?あぁ、ただ単に藍璃にあげたペンダントに調節して、空間を繋げただけだ」…そうか。」


「じゃあまぁ、ちょっと同族を相手にしてきますか………よ!」


そのまま、龍司は指輪の中へと入って行った。





今月中には第1章ぐらいは終わらしたいですね…


…終わるかな?


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