1.1日目「入学」
*注意
4、5話程度から主人公のキャラが統一されていないことに気づき、
1話部分からキャラ設定を修正してあります。
投稿初期からみてくださっている人には違和感があるかもしれませんが、よろしくお願いします。
大掛かりなイベント。
そう称しても、いいのではないかと思えるだけの人数が集まっていた。
その数300人。
ここにいるのは小学生から大学生まで様々であり、また目的も様々だった。
その目的は大きく分けて2つ。
力とお金。
いかにも、社会の縮図みたいだが、そういうわけではない。
「ここで、1週間行われることに参加すれば、力が手に入る。」
これだけでは今の世の中人は集まらない。
ただし、参加することで支払われる金額が参加を後押ししていた。
1日、1万円。7日で7万円。
アルバイトとしてはかなり良い金額であり、現実離れしていない金額でもある。
その上、1週間は寝床と食事が保証されている。
この時点で何百人もの人が申し込みを決意していた。
でも、中にはウマイ話には裏があると実体験から知っている人はここまでの話に非常に不安な声を上げていた。
しかし、この人達ですら参加させるような出来事があった。
政府が国会でこの事業が国の事業であると認めたのだ。
これにより応募者は3000人~4000人になったと言われている。
その後、非公開の選考基準によって選ばれた300人。
それがここに集まった人たちだった。
(予想以上に人が多い…。)
と、周りが選ばれたことに対して(ここにきて実感を感じているのだろう)浮かれている中で
冷静に周りをみている(ように見えて実は緊張している)一人の少年がいた。
彼の名は南部 空。
中学3年生で160cmと若干小さめで、周りから高校生に間違われることはまずない。
逆に中学2年生、場合によっては1年生でも通用してしまう。
(ちなみに160cmは中学2年生の平均身長とほぼ同じ。)
まあ、周りが他人である空をみる余裕があれば…の話だが。
そんなふうに周りを見ていると、(これは誇張ではなく実際に観察をしていた。)
「自分のクラスに移動してください。」というアナウンスがあった。
クラスが書いてある参加カードは事前にそれぞれの手元に届いている。
というか、ここに入場するにも必要なため、必ず持っている であろうことは間違いない。
空のIDはC-14。
(うーん、早めにクラスに向かっておこう。)
そんなことを思いながら、さわぐ人々の間を通り過ぎながら、空は歩き始めた。
クラスに空がついたときには3分の2の人がもう着席していた。
(こんなに早く来ているのか…みんな熱心だなぁ。)
と感じながらも、それを一切顔に出さずに、席に座った。
余談だが、決して空が遅かったわけじゃない。ただ、今席についている人のほとんどが走ってきただけである。
テンションが高いことによる集団行動の一種であった。
そんなことを空が知る余地もないが。
ほどなくして、一人の大人が入ってきた。
彼は30分ほど説明をしていたが要約すると、
・7日間終了後、7万が給料として支払われる。途中でやめた場合は支払いなし。
・ここで得た知識、技術、そして”技”を外に話さないこと。(ただ、”技”はここでしか使えないから大丈夫だといっていたが。)
・”技”は後程測定があり、その時に”技”に関する話がある。
・7日間のうち5日間は自由行動。(厳密には1日目の午後から7日目の午前中まで。)
・行動は3人のグループで行う。
そして、大事なことが1つ話された。
・グループ間の戦闘可。その時は”クラッド”と呼ばれる人を呼び、立会をしてもらうこと。
この話にはクラス全体がざわめいた。
もちろん、空も例外ではない。だが、
(交戦可って、怪我はしないようになっているのかな?)
という周りからすれば、的外れなことを考えていた。
その後、彼の考えていることが当たってしまうのだが、
今の彼らにその可能性を思いつけというほうが苦であろう。
こんにちは、twilightです。
いかがでしょうか?
現在はこのように説明中心になっておりますが、
4話目程度から戦闘中心になると思います。
それまで、説明を中心とした展開をしますが、
どうぞお付き合い下さい。