7話 弁当の秘密と放課後の写真
「お前らいつまでもやってるとほんとに昼休みなくなるぞ」
勇翔は自分の弁当を食べ終わったようで、大きな弁当箱をお弁当包みで包んでいた。
そして、俺が恐る恐る時間を見ると、昼休みは残り10分を切っていた。
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
「うぉぉぉぉぉぉ!!!」
俺と麻昼は全速力で口に運び出し、愛花さんは別に食べなくてもいいからなのか、そんな俺らをニコニコ笑いながらゆっくりお弁当を突いていた。
俺たちが何とか食べ終わり、数分するとチャイムの音が教室中に響き渡り、それと同時に5時間目の担当の先生が入ってきたことで勇翔と麻昼と愛花さん含め、クラスの全員が自分の席へと向かった。
その後僕たちは五・六時間目に住まうといわれている睡魔という名の悪魔と戦い……いや!麻昼は戦う機など元から内容で睡魔と仲良く夢の国にいっていた。
そして俺らはついに、放課後という名の楽園に到着した。
放課後になると、部活動をしている猛者どもが急いで荷物を片付けると、他クラスの仲間たちと合流しながら部室へと向かって行った。
ちなみに、俺と勇翔と麻昼は当然帰宅部なのでこの時間は急用がなければ部活動組の邪魔にならないように教室に居座っていた。
「はぁ~よく寝た~」
麻昼は長い眠りからやっと目覚めたようで目をこすりながらこちらに向かってくる。
ちなみにもう勇翔についてはカバンを持って俺の隣に来てスタンバっている。
「あっ!そうだ!」
麻昼は何か良くないことを思いついたようで歩みを止めると回れ右をして愛花さんの席のほうへ向かい、お昼同様腕を引っ張りながら愛花さんを連れてきた。
「えっ!ちょっと!!麻昼ちゃん!また引っ張らないで~」
そして麻昼はお昼と同じく、俺の席まで来ると愛花さんの手を離した。
「麻昼ちゃん!?今度は何!?」
「アイアイは何ラーメンにする?」
愛花さんの困惑から来る質問に麻昼は何段も飛ばした回答をした。
多分……麻昼は愛花さんを勇翔の家のラーメン屋に連れていきたいんだろうが、愛花さんはラーメン食べれないし、その前に愛花さんを校外に連れていくことは可能なのだろうか。
「えっと……勇翔の家がラーメン屋やってて……これから三人で食べに行くんだけど……麻昼は愛花さんも連れていきたいんだと思う……」
俺は悩んでも仕方ないので、麻昼の気持ちを代弁した。
「あ~そっか~ごめんね!麻昼ちゃん!私、校外に出ること許されてないんだぁ~それに!私まずこの体じゃラーメン食べれないしね!」
愛花さんはそう言って麻昼を笑顔でなだめるが俺にはその表情にどこか影を感じた。
「そっか……おじちゃんに新しい友達自慢しようとおもったのに……」
ここで麻昼が言うおじさんとは勇翔の親父さんのことを指しており、麻昼と勇翔の親父さんは変人同士だからか、すごく仲が良いので、愛花さんを紹介したかったのだろう。
「うーん……そうだ!じゃあさ!四人で写真撮ってそれをおじさん?に見せればいいんじゃない?そしたらおじさんに私の事紹介できるんじゃないかな!」
「たしかに!それならおじさんに見せられる!」
愛花さんのナイスアイデアに麻昼はウキウキであり、それに対し愛花さんはおじさんという部分に疑問符を浮かべていた。
「愛花さん一応言うと麻昼のいうおじさんって勇翔の親父さんの事だから!変な……人ではあるけど悪い人じゃないから安心して!」
「そっか!おじさんって勇翔君のお父さんのことかぁ~私つい、麻昼ちゃんがパパ活してるのかと思ったよ~」
「むぅ!!アイアイ侵害!私は一夜一筋だから他の男にタッチすら許さない!」
愛花さんの勘違いに麻昼は頬を膨らませて抗議していた。
「ごめんごめん」
それに対して麻昼さんは手を合わせて軽く謝る。
「元後言えばお前が勇翔の親父さんのことをややこしい呼び方してるのが悪いんだろ!」
「あー!一夜がまたアイアイの味方ばっかスルー!」
俺らはそんなやり取りをしつつ、後ろに俺と勇翔が立ち前で愛花さんが中腰になり、麻昼は……立っているのに中腰の愛花さんとそんな変わらない……まぁそんな感じに固まり、準備が整ったのを確認した愛花さんはスマホのシャッターを押した。
ちなみに言おう!僕の前で中腰になっている愛花さんはヒューマノイドのはずなのにめちゃくちゃいい匂いがした。
ブックマーク増えてる!やったー!!!!
本当にありがとうございます。
本当に、ブックマークや評価を頂けるとめちゃくちゃ嬉しくなります。
作者を応援したい場合は評価・ブックマークをよろしくお願いします。