4話 貧乳少女とナイスボディー
「アイアイのお弁当の中身何?」
麻昼の言葉に俺の中に1つの疑問が湧く。
(ヒューマノイドって……ごはん食べるのか?)
でも、確かに愛花さんの手元にはちょうどお弁当箱が入るサイズの手提げバックがある。
「お前ってロボットなんだよな?飯食うのか?」
勇翔めちゃくちゃデリカシーないけどナイス―!!
「あーやっぱり気になるよねーその質問の答えはぁ~」
しながら
愛花さんはそう言いながら手提げバックに手を突っ込む。
「テッテレテテテーテーッテッテテッテテレレテッテレレレー!!電子お弁当箱~!!」
愛花さんは某青い猫のキャラクターの真似をしながらどこからどう見ても普通のお弁当箱を取り出す。
「アイえもん!それはどういう道具なんだい?」
愛花さんのノリに合わせて麻昼が近くにいた生徒の眼鏡を借りて某のびのびした少年の真似(めちゃくちゃ似てない)をしていた。
「このお弁当箱にはねぇ私のお母さんが作った沢山の料理の味が記憶されていてその中からお母さんが選んだ具材が入っているんだぁ~」
愛花さんは辞め時を失ったようで頑張って青い猫の真似をしながら僕たちに説明をしてくれている。
「その箱すごい……わたしも欲しい」
一方麻昼はもう眼鏡を取ってノーマル麻昼になっていた。
「ちょっと!麻昼ちゃんなんで辞めちゃうの!?私だけ恥ずかしいじゃんか!!」
愛花さんは顔を真っ赤にしながら麻昼をポコポコはたきながら猛抗議していた。
「おいお前!鼻血出てるぞ!?」
「俺の弁当に鼻血がぁ~」
そんなかわいい愛花さんの犠牲者はかなり多いらしく、教室にいた男子たちが次々と鼻にティッシュを詰め始めていた。
「よし!気を取り直して!電子お弁当の説明するね!」
愛花さんは少し落ち着いたのか、まだ顔が少し赤いもののお弁当の蓋を開いて説明を始める。
愛花さんのお弁当の中にはおいしそうな唐揚げと卵焼きとマカロニサラダにごはんという内容だった。
「すごくおいしそう!」
そういって麻昼は愛花さんのお弁当の一番メインであろう唐揚げに自分の箸を持っていき、掴もうとするが、空振りに終わる。
「あれ?掴めない……?」
「あはは!麻昼ちゃん間抜け―!でもこれ本当に本物みたいで騙されちゃうよね~でもこれ!バーチャル映像なんだよ~」
愛花さんはそう言いながらお弁当箱を逆さにするが、中身がこぼれることはなくお弁当の中に滞在していた。
「アイアイひどい!騙した!」
麻昼は恥ずかしかったのか頬を膨らませて抗議する。
「麻昼が勝手に騙されたんだろ!」
俺はここで麻昼にツッコミを入れる。
「一夜……あなたは長年付き添ってきた私より、ぱっとでのアイアイを取るのね」
麻昼はポケットから白いハンカチを取り出して白いハンカチを嚙み、ハンカチの両端を引っ張りながらウルウルした目でこちらを見ながら言ってくる。
「ややこしい言い方すんな!」
「いでっ!!」
そんな麻昼に俺は容赦なくチョップをお見舞いする。
「ねぇねぇ!勇翔君!一夜君と麻昼ちゃんってかなり距離近いよね?」
「あぁ……あいつら付き合ってるからな……」
俺が麻昼と言い合いをしていると隣から聞き捨てならないこそこそ話が聞こえてくる。
「ゆ・う・し・ょ・う!!お前な何愛花さんにホラ吹いてんだ?俺と麻昼は付き合ってなんかねぇよなぁ~」
俺は勇翔の頭を鷲掴みしながら言う。
「うんうん!私と一夜は付き合ってる!」
「麻昼も何肯定してんだよ!?」
俺は勇翔を鷲掴みしている反対の手で麻昼の頭を鷲掴む。
「痛い痛い痛い~一夜のセクハラ野郎~」
「誰がお前みたいなガキんちょボディーにセクハラするもんか!付き合うのだって俺はボンキュッボンのナイスボディーがいいんだよ!」
「それって私みたいな!?」
この時……愛花さんの問題発言のせいで教室全体が凍り付いた。