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機械の君を愛してる  作者: ラード
3/8

2話 アイアイはカワイイ?悪魔?

「ねぇねぇ!愛花ちゃんって呼んでいい?」


 「愛花ちゃんでもあだ名でも呼び捨てでもなんでもいいよぉ~」


 「じゃあ私はアイちゃんって呼ぶねぇ~私はシズって呼んで~」


 「私はアイアイって呼ぶ」


 「えーなんかアイアイってお猿さんみたい!」


 「そう?でもお猿のアイアイはカワイイ!だから大丈夫」


 「そうなの?私アイアイなんて歌でしか聞いたことないから見た目わかんないなー?まぁ!かわいいならいいか!」


 「うん!アイアイはカワイイ!私は渋谷麻昼、ヒルヒルって呼んでもいい!」


 「うーんヒルヒルってなんかかわいくないからまひるちゃんって呼ぶね!」


 「そう?まぁそれでもいい……」

 

 朝のホームルームが終わって一時間目の先生が来るまでの少しの時間で、愛花さんの周辺には女子たちが群がり、呼び方の話で盛り上がっていた。


 というか、麻昼は相変わらずまひるワールド全開だな……。


 愛花さん……アイアイは現地の人に(悪魔)といわれています……これは言わないでおこう。


 女子に比べて男子たちは話しかけたい気持ちはあるようだが、女子たちの勢いに気おされて、傍観することしかできていなかった。


 「おまえらー転校生が嬉しいのはわかるが1時間目始めるから席につけー」


 そんなワイワイしていた教室が数学の担当である山田先生が入ってきたことで静になり、蜘蛛の子を散らすかのように各々自分の席へと向かって行った。


 そして退屈な座学が四連続で続き、やっと待ちに待ったお昼になった。


 ちなみに授業と授業の間は愛花さんの周りを女子たちが囲むため、愛花さんに話しかけることが男子はいなかった。


 今日もいつも通り、俺の席に勇翔がきて俺の前の席の奴の椅子を借りると席を180度回して俺の席に弁当を置く。


 いつもと違う部分で言えば麻昼が俺の席ではなく愛花さんの方へ向かっていることだろうか。


 なぜだろう、悲しく感じつつ、嬉しくもある、これが親離れしていく子供を見送る親の気持ちなのか!


 「アイアイ!弁当持ってきて!」


 麻昼は愛花さんにそういうと、間髪入れず愛花さんの腕を掴んで引っ張り始める。


 「えっ!?なに!?ちょっと待って!?」


 愛花さんは急に引っ張られたことで転びそうになりながらもなんとか立ち上がりながらギリギリお弁当を持って麻昼にされるがままついて行っていた。


 そんな二人はどんどんと俺たちの方へ近づいて来る。


 そして今、俺の席の前で止まった。


 「一夜!勇翔!私の新しい友達のアイアイ!アイアイ!こちら幼馴染の一夜と勇翔!よろしくして!」


 麻昼は身振り手振りをしながら双方の紹介をした。


 「えっと……愛花さん……麻昼の幼馴染の江原一夜です」


 「同じく幼馴染の朝倉勇翔だ、よろしく」


 「えっと……家入愛花です!よろしくお願いします?」


 麻昼の突拍子もない言動に俺らと愛花さんはかなり動揺していたが、何とか自己紹介を終えた。


 なんだろう……男子たちからは嫉妬の目線が、女子からは苦笑いが向けられている。

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