11話 忘れられたプリントと放課後の教室
「そういえば、一夜の両親は来週の授業参観来るのか?」
ドッキリとわかって落ち着きを取り戻した優翔が俺にそんなことを聞いて来る。
そしてその言葉を聞いて俺の体が硬直する。
「あれ?……授業参観?あれ?……そんなのあったっけ……。」
俺が冷や汗をかきながら優翔の方を見ると優翔はただ真顔で首を縦に振る。
「やっべぇ!!!」
俺はかなり焦りながらバッグの中をあさるが、目当てのプリントは見当たらない。
「締切…いつまでだっけ?」
俺の言葉に優翔は全てを察したようで小さいため息を吐く。
「明日だな……」
優翔の口から聞こえて来る絶望的な答えに俺の焦りはヒートアップする。
「えっ?えっ?がずやプリント忘れたの!?あれれぇー大丈夫ー?優しくて大人な私がこのプリントをコピーしてあげるから私の家に!」
「すまん!先にラーメン食っててくれ!俺学校にプリント取りに行って来る!」
麻昼がニヤニヤしながら何か言っていたが焦った俺の耳には入らず、俺は麻昼を無視して来た道を走り出した。
「あー!!…行っちゃった…むぅ!がずやを家に呼ぶチャンスだったのに!」
麻昼はもう見えないところにまで行ってしまったがずやの方を見て頬を膨らませていた。
「まぁ…かずやのおふくろさんそう言うの厳しいからなぁ…」
そんな麻昼の横顔を見つめながら優翔は呟いた。
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「はぁっ……はぁ……クソォ!なんで高校に授業参観があるんだよ!もう見るもんねぇだろ!」
俺は全力で走りながら愚痴を吐く。
「そういえば…はぁっ…はぁっ…まだ部活中か!はぁっ…はぁっ…走る必要ないな!」
焦った気持ちが落ち着いた俺は焦る必要がないという現実に気づき、走っていた足を緩める。
「あーあー!どうせ母ちゃん来ないんだからプリント出さなくたっていいだろうに!そういうところだけ厳しいんだからよ!」
俺の足は緩まったが…口から出て来る愚痴は止まることはなかった。
そして俺は目的地に着き、本日3度目の門をくぐる。
流石に色々な部活をしている校内で大声で学校や母親への愚痴を吐くわけにはいかないので静かに歩き慣れた教室までの最短ルートを歩く。
中には吹奏楽部が使用していて音を奏でている教室や文芸部や美術部が使っている静かながら確かに人の気配を感じる教室がある中、俺の使用している教室からはなにも気配がしなかった。
(流石にみんな帰ったか……なんか人がいない教室に入るのって変な感じするな……)
俺はそんなことを考えながら教室の扉を開く。
「………………」
俺が扉を開いた先にはどこか悲しげな表情で優しく校庭の方に視線を送る美少女が居た。
執筆再会します。
不定期になります。
ごめんなさい。




