10話 帰宅途中のヒューマノイド評価会
「アイアイじゃっ!またね~」
「愛花さん、さようなら」
「また明日!」
「みんな!バイバイ!!明日もお話ししようね~」
教室から部活組が居なくなり、教室の出入りが落ち着いたので俺らは愛花さんに別れの挨拶をして教室を出る。
教室にまだ残っている奴らが俺らが帰るのを見計らって愛花さんに近づいて行ってたので俺らが居なくても一人にはならないだろう。
「えへへ~新しいお友達のアイアイ~」
帰路の麻昼はずっと上機嫌であり、自然と麻昼の足は浮かび上がりスキップを発動していた。
「おじさん自慢しよー」
そんなウキウキの麻昼は天高くスマホを掲げていてその画面にはさっき撮った写真が写っていた。
「もしかしたらおじさん愛花さんの方が麻昼よりもかわいいっていうかもなー!」
俺はウキウキな麻昼をからかう。
すると麻昼はスキップをやめ、立ち止まると、頬を膨らませる。
「大丈夫だもん!確かにアイアイは超絶可愛いけどおじさんは私が最推しだから!大丈夫だもん!」
麻昼は珍しく不安になったようで、写真を映し出していた麻昼のスマホが握られたことで真っ暗になる。
「確かに愛花さんはかわいい、だが、麻昼はもっともっとかわいいから大丈夫だ。」
そんな麻昼をフォローするのは麻昼のことを大好きな勇翔であり、勇翔の真っ直ぐな言葉に麻昼は「ありがと〜知ってる〜」と軽く答える。
まぁ……軽く答えてはいるものの麻昼の足取りは確実に軽くなっているのだが……。
ただ、そんな親友たちの関係を優しく見守ってられないほどの衝撃が俺の頭に今響いている。
「勇翔が……麻昼以外の……女の子を……褒めた……」
俺は衝撃のあまり動揺を口に出してしまいそれに対して気づいていなかったであろう麻昼が凄まじいスピードでこっちに顔を向けてくる。
「確かに……今……アイアイをかわいいって言ってた……」
俺と麻昼は言葉の後にアイコンタクトをすると同時に勇翔の方を向く。
俺らがこんなに驚いている理由を説明すると勇翔は基本俺と麻昼意外の他人に興味がない…それはクラスのメンバーも対象であり、コミュ障ではないのでただのクラスメイトとしては話すが、友好関係を築いたりはしない。
特に麻昼という絶対な存在がいるからなのか麻昼以外の女子にはめっぽう興味がなく、俺と麻昼がクラスの女子の話をしていても自分には関係ないと黙ってスマホをいじっていることが多い。
そんな勇翔が愛花さんのことをかわいいと言ったのだ……。
「なんだ?」
本人はそんなこと気にしていないようでガン見している俺らに怪訝そうな顔をする。
「いやぁ〜お前にもそういう感情あったんだなぁーってだけぇー」
「私以外の女の子を可愛いと言った1点減点……」
「麻昼!違うんだ!そういう意味じゃ!」
俺のからかうような対応に不機嫌そうな顔をした勇翔は次の麻昼の発言に焦りだし、大柄な男がわなわなし始めた。
「冗談w」
そんな勇翔に麻昼は冗談であることを伝えると、スマホにドッキリ大成功と書かれた画像を映し出して頭の上に掲げる。
そんな会話を繰り返す俺ら3人は愛花の体が作り物である事など眼中になかった。




