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生理痛でも冒険の旅がしたい!  作者: 御餅屋ハコ
生理痛でも冒険の旅がしたい! 第二章
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第二章  14 公衆トイレ

  14 公衆トイレ


 周りは草原だが、街道から山へ、草の無い地面が続いている。ミーヤ達はそこを進む。他の魔物狩り屋達が歩くのも見える。道は今日も踏み固められていく。

 しばらく歩くと、山のふもとに着く。平坦だった地面が隆起し、木が生える空間になる。今までは見晴らしのいい草原で、遠くに村も見えていたが、木々の中は薄暗く、視界が遮られている。

「久しぶりの山だな」

 ボウが空気を吸い込む。雨は昨日で上がったので、地面はぬかるむほどでは無いが、木々が多いので湿度は高い。

「じゃあ私、トイレに行ってくる」

「オレも行こ」

「行ってらっしゃい。荷物持とうか?」

「ありがと、兄貴」

 マアチがボウにリュックを渡す。

「じゃあ、これだけお願い」

 ミーヤがリュックから弁当と魔法水筒を出して渡す。

 女二人がトイレに行くのを、ボウは見送る。

 トイレは人間の生活に不可欠だ。町では、宿屋や飲食店などに設置された物を使う。

 屋外では、所々に『公衆トイレ』が設置されているので、そこを使う。有料で、値段は場所によって違う。

 リトゥの国では、管理さえできれば、公衆トイレは誰でも設置していい。

 街道沿いなど、行き来しやすい場所ならば10テニエル、魔物狩りスポットの入口など、やや行きにくい場所は20テニエルが相場だ。

 公衆トイレの所有者は、定期的に自分の公衆トイレに出向き、清掃や消耗品の補充を行い、利用料金を回収する。

 人通りのある街道で、人目を避けて用を足したい。魔物狩りスポットで、無防備にならずに排泄したい。その需要に応えるため、公衆トイレは各地に設置されている。

 山の中は魔物が出るが、山の入口ならば危険は少ない。ここは街道から山へ向かう魔物狩り屋が多く通るので、トイレの需要も多い。だから公衆トイレが設置されていた。近くの村に住む、引退した魔物狩り屋が管理してるんじゃないか、以前、三人でそう推測した。

 流石に山の中には設置されていないので、ここで用を足しておく。

 トイレの個室をいくつか並べたような、箱形の建物。

 扉の横にはコイン投入口があり、『使用料金・一回20テニエル』と書かれている。ミーヤとマアチはそれぞれ財布を出し、コインを入れる。レバーを回すとコインが内蔵された金庫に落ち、扉の鍵が開く仕掛けだ。

 開いた扉を閉めると自動で鍵がかかるので、二人はすぐ、それぞれの個室に入る。

 鍵は内側からなら何度でも開けられるが、外側からはコインを入れたときにしか開かない仕組みだ。コイン返却口はないので、中に入り損ねたらまたコインを投入する必要がある。また、料金を多く入れてもおつりは出ない。

 多く払っても、損だとか思わない方がいいよ。トイレ管理者への感謝の気持ちを上乗せしたんだ、と考えるんだ。ボウは二人にそう教えた。

「確かに、トイレが無いとほんと困るもんね」

 ミーヤはつぶやきながら、ドアのかんぬきを閉めた。これはトイレに入った人間が手動で動かす鍵だ。これを閉めないと、使用中に外から他の人がコインを入れて扉を開けてしまう可能性がある。また、かんぬきをスライドさせることで、外から扉を見ると使用中かどうかわかる仕組みになっている。

 中の設備は町にあるトイレと変わらなかった。腰掛けのような便器、上水タンクと下水タンクにつながる管、トイレットペーパーなど。

 町の中よりも荷物が多いことを想定しているのか、壁にはフックが複数あった。リュックとベルトポーチを別々にかけられるのでありがたい。

 マアチはリュックを丸ごとボウに渡したが、ミーヤのリュックには生理用品が入っている。だから飲食物だけ渡したのだ。

「この感じだと出てなそうだけど、トイレに入らないと確認出来ないし……」

 ミーヤは替えのナプキンを取り出すか迷い、とりあえずズボンを下げた。

 出血はプレーン布に10フィンクほどだったので、布をたたみ直し、綺麗な面を体に当てることで取り替えずに済ませた。

 今回はこれで良かったが、大量出血していたら替えのナプキンがいる。どの程度の出血かはトイレに入るまではっきりしない。だからリュックごとトイレに入らざるを得ない。

「めんどくさいけど、でもトイレがあるから生理中でも魔物狩りに来れるし。有料でもありがたいよ」

 ……このトイレを設置したのが魔物狩り屋なら、女の人かもしれない。だってフックがたくさんあるのは、生理用品で荷物が増えるって実感してるからじゃない?

 女でも、生理があっても、魔物狩り屋はやれる。こうやって公衆トイレがあれば。

 ミーヤはそう考えながら、トイレでの用を済ませ、外に出た。

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