第二章 04 昼食と昼寝
04 昼食と昼寝
眠くは無かったので、しばらくベッドの上でゴロゴロして過ごす。今の出血量なら、26フィンクのナプキンでも漏れないはずだ。短時間なら。
うっかり眠ってしまわないように、ミーヤは目覚まし時計のネジを巻いたりして過ごした。しばらく横たわって掃除の疲れが癒えたころ、マアチが部屋をノックした。
「ミーヤ。そろそろ飯行かね?」
時計の針は左上、朝の八刻過ぎを指していた。そろそろ飯屋がランチの営業を始める頃だ。
「そうだね。雨は?」
「まだ降ってるぜ。嫌んなるよな」
二人はレインコートを準備して出かけた。雨は朝より弱くなっていたので、宿から少し離れた飲食店に行った。
ミーヤはマトマとチョビアンのパスタ、80テニエルを頼んだ。マトマは赤く汁気のある実を食べる野菜だ。生だと酸味が強いが、加熱するとコクのある赤いソースになる。チョビアンは魚醤だ。マトマソースと相性がいい。
マアチは、プンパキンのポタージュ、ハムとレホーン草の炒め物とパンのセット90テニエル。プンパキンは、黄色い実を付ける野菜だ。固くて重いが、加熱すると柔らかくなり、潰すととろみのあるスープになる。レホーン草は緑色の葉を食べる野菜だ。
二人は温かいカウォル茶を飲みながら昼食を済ませた。
「あ、雨やんだね」
店を出て、ミーヤが空を見上げた。空は明るくなっており、肌に当たる雨も無かった。
「おー、これで晴れてくといいな。明日は久しぶりに魔物狩りだぜ!」
ミーヤとマアチは気合いを入れて宿に帰った。
とはいえ今日はまだ出かけない。二人はそれぞれ自室でゆっくりすることにした。
ミーヤは、早朝に干したナプキンを回収しに行った。だいたい乾いていたが、夜用で厚く大きいので、部屋でもう少し干しておく。
「洗濯は後にして、ちょっと寝ようかな」
朝早く起きたし、食後なので眠くなってきた。
出血量は減っているので、使用済みナプキンを入れる防水袋はまだ余裕があった。昼寝の後に洗おう、とミーヤは思った。
「昼寝だし、これでいいかな……」
ミーヤは26フィンクのホルダーを手に取った。
昨日の昼寝と就寝は30フィンクにしたが、今日は出血が減ってきている。なにより、大きいナプキンは洗うのも乾かすのも面倒だ。掃除の後は出血する感覚も無いし、今日は26で行けるだろう……。ミーヤはそう考えた。
26フィンクのナプキンに、同じサイズのプレーン布を三つ折りにしてセットする。
トイレに行ってショーツを下ろすと、推測通り、出血はほぼ無かった。
掃除の時からゴムバンドに血が染みていたホルダーごとナプキンを外し、防水袋に入れる。
ミーヤは26フィンクのホルダーとナプキンを装着し、ベッドに戻って眠りについた。




