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カミングアウトは

 しばらくすると、里奈の呼吸は完全に元に戻り、熱もだいぶ下がったようだった。この部屋には体温計もないそうで、むしろ買って来るべき物は、体温計と冷えピタだったようだ。

「祐作さん、あの、ありがとう。来てくれて。」

少し落ち着いて、リビングの椅子に座った朝陽が改めてそう言った。思わず破顔して、

「いやいや、頼ってくれて嬉しいよ。」

と、言った。照れ隠しに椅子を引いて座る。

「あのさ、さっきお母さんに電話した時、自分の子じゃないって言ってたでしょ。それって、お母さんがあんたの子かって聞いたんだよね?という事は、祐作さん、カミングアウトしてないの?」

朝陽がそう言った。

「あ、うん。でも俺はバイだから、子供が出来る可能性は、ゼロではないんだ、よな。」

少し気まずい。別に恋人同士ではないかもしれないが、一応それに近い相手に、女と付き合う可能性がある、などと話すのは、どうなのか。

「朝陽は?女の子には全く興味なし?」

話題を変えようとして口を開いたが、あまり変わっていない。

「うん。多分。」

朝陽は里奈の方を振り返った。すやすや眠っている。

「じゃあ、俺は帰るかな。里奈を起こしてもいけないし。」

静かに立ち上がり、玄関へ向かう。すると、朝陽も立ち上がってこちらへやってきた。見送るつもりなのだろう。

「朝陽、疲れただろ。今の内に眠っておけよ。」

そう言って、抱きしめた。

「うん。ありがとう。」

朝陽は抵抗せず、むしろぎゅっと抱きしめ返してきた。だが、すぐに腕を放した。頭の上に軽く手を置き、ポンポンとやって笑いかけると、朝陽は少しだけ笑顔を見せ、はにかんで視線を床へ落した。


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