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沼ハマの入り口  作者: 夏目 碧央


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15/19

愛があれば

 夕飯を済ませ、里奈を入浴させ、寝かしつけた。里奈を2人で挟んで寝かせ、絵本を読み聞かせたりするのは、何と幸せな情景だろうか。里奈はもう、ベビーベッドでは寝ていなかった。つまり、大人の寝る部屋は里奈と同じ部屋。という事は……まさか「いい事」なし?

 里奈がすっかり眠ったので、寝室を暗くし、2人でリビングへ出てきた。どこでする、という疑問はありつつも、そんなことは構わずに朝陽を抱きしめた。

「いい?」

耳元で囁いてから、朝陽の顎を指で持ち上げると、朝陽は頷き、目を軽く閉じた。唇に、そして首筋に、キスを降らす。お互いのパジャマを脱がせながら、キスを繰り返す。

「朝陽、愛してる……」

「うん、俺も……」


 結局リビングの床で愛し合った後、テーブルの上にビールを置き、軽く1杯ずつ飲んだ。朝陽の部屋にはビールが1缶しかなかったのだ。

「買ってくれば良かった。」

ビールの缶を見つめながら言うと、朝陽はぷっと噴き出した。

「ベビーカー押してたんでしょ、無理だよ。」

確かに。ベビーカーを押しながら買い物なんて芸当は、初心者には無理だ。しかもビールなどを買っていたら、誰かに怒られそうでヒヤヒヤする。

「子育て中にお酒なんてって、言われそうだもんね。俺、里奈を保育所に迎えに行く前は、絶対に飲まないよ。」

「え、じゃあ、最初に会った時、あのゲイバーで。あの時、酒は飲んでなかったの?」

「ああ、もちろん。ジュースしか飲んでなかったよ。」

そうだったのか。

「ちょっと飲んだからって、子供の世話ができないほど酔ってなければ問題ないとは思うけどさ。でも、子供の世話があるのに、飲酒してるって思われるのはどうもね。」

分る気がする。あの保育所の雰囲気もそうだし、道を歩く時だって、子供を連れていながら酒の匂いをさせていたら、周りにどう思われるか。考えるとぞっとする。

「ところでさ、姉ちゃんの事だけど。」

「うん。」

「その付き合っていた人が、里奈の父親なのかどうか、確かめてもらおうって、両親とも相談して決めたんだ。」

「そうか。よし、任せておけ。」

「でも、知り合いだとしても、そんな大変な事頼んじゃっていいの?弁護士とか、他の人に頼んだ方がいいんじゃない?」

朝陽は、そしてご両親も遠慮しているのだろう。

「大丈夫だ。とりあえず話をして、相手がどう出るか見てみようじゃないか。相手の意向を確かめたうえで、弁護士を雇うかどうか決めよう。」

朝陽は頷いた。

「ありがとう。」

そして、俺の手をテーブルの上で握った。それだけで嬉しいのは、どうしてだろう。


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