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『クジュキリー女王陛下、お元気であらせられますでしょうか。

(言い回しと言いますか、書き回しといいますか、難しいものですね。綴りが間違っておりましたら申し訳ありません)

 すでにお聞き及びでしょうが、こちらでは、また法律が変わりました。王権が縮小して議会の権限が大きくなりました。ゆくゆくは国王はお飾りになってしまうでしょう。

 なのに、ウドゥン陛下はまったくのんきなもので、まったく気にしていないようすです。もしかしたら国王陛下自身が陰で糸を引いているのかもしれません。

 ああ、いけない、ついうっかり。もう王位はホート様に禅譲されたので敬称は陛下ではありませんでしたね。今はウドゥン閣下とお呼びしなければ。

 閣下は以前に比べて自由な時間が増えたようで、月に二、三回、拙宅にお見えになります。

 その言い訳は「落花生を食べに」なのですから呆れてしまいますでしょう。落花生はすっかりウドゥン閣下のお気に入りとなっております。

 私が気を利かせて、殻を剥いておこうとすると「余計なことはするな」と怒ります。だから私たちは畑を見渡せる裏庭に並んで座って、落花生の殻を地面に捨て、小さな粒を食べながら、とりとめのない話をしています。とてものどかです。

 でも滞在時間が無駄に長くなってしまいますよね。

 あくびを噛み殺す従者を横目に、ときに会話が途切れても、ひたすら手だけを漫々と動かしていると、やがてカラスが山に帰り始めて、彼も腰を上げるのです。

 落花生の香ばしい甘さがずっと舌に残るのが厄介です。

 ひたひたと身体に染みこんでいく、これは蜜なのか、毒なのか、そんなことはどうでもよく、ただゆっくりと長く味わいたいと願うばかりです。

 陛下、末尾になりますが、父の死をお知らせいただきありがとうございます。晩年は実の娘がそばにいてやれませんでしたが、クジュキリー陛下にお優しくしていただき幸せだったと思います。

 死ぬまでには父の墓参りをしたいものです。ソーキより』


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