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第1話 オタク高校生、村人へ転性する。

『あっ♡ ダメっ、漏れちゃう////――らめっ、ソコいじっちゃらめぇぇぇぇ♡♡』


「――――ふぅ……」


 可愛らしい修道服を着た少女の絵柄に生々しいヒミツの液体、そして語尾には意味深な♡付きの卑猥な単語が書かれた描写を前に、俺は一服、溜息を()きながら丸めたティッシュをゴミ箱の中へ投げ捨てる。


「ふぁ~、もうこんな時間か」


 時計を見ると、既に短い方の針が一の数字を指しており、窓から見えるオフィス街も先程と比べ大分静まり返っていた。


 明日も学校だ。賢者から常人に戻るには後一目盛分は掛かりそうだったので、俺は電気を消して瞼を閉じる。


 しかし、あのエ〇漫画の聖女ちゃん可愛かったな~。何と言ってもあの貧乳! ロリはこの国の無形文化遺産だ! それにもしかして俺、お〇がまも性癖の内なのかっ!? 一度はあんな可愛い子とシしてたいな~。ま、陰キャの俺には無理だろうけど。


 徐々に意識が薄れていく感覚を覚え、俺は眠りに就く。




 そして、目が覚めたのは――


『ガルルルル』

「――――へ……?」


 現実では到底見られないような青い空に、広大に広がる何もない野原。そして目の前には一匹の赤いドラゴン。なんだか分からないが明らかに何か技を溜めている様子である。しかし状況が全くつかめていない俺は動こうにもどう動けば良いのか分からない。


 数秒後、ドラゴンの動きが一瞬だけ止まり、


「た、助かった、のか? ――って、え!?」


 ドラゴンが首を大きく一振り。


『ブォォォォォ!!!!」

「あばばばばばばばば!?!?!?」


 そこで俺の意識が途切れる。


 どうやら目が覚めたのは――ドラゴンが俺に灯を吹く直前だったようだ……。




『――だい……じょ……?』


 んぁ?

 何だこの声、不意に脳に響いてくる。


『――だいじょ……?』


 女性の声、か? やんわりとした声が俺の意識を包んでくる。そして何より――超・カワボ!!何だこれ、天使の声か? そういえば俺、さっきドラゴンに火を噴かれたんだった。――ということは、ここは天国? 俺、死んだのか? てっきりさっきのは夢だと思っていたのだが……。


『――大丈……?』


 さっきよりもより鮮明に聞こえる。やはり俺は死んだのだろうか。はぁ、もういいや。現実は変えられないんだし。(むし)ろ、こんなカワボの天使が居るところであれば本望で――


「――大丈夫ですか? 目を覚ましてください!」

「はっ!」


 ふと、俺の体に意識が宿り、俺はベットの上で飛び起きる。


「赤いドラゴンは……?」


 目の前には見たこともない壁に家具。どうやらここにはドラゴンは居ないようだ。


「ふぅ、良かった……」

「――良かったじゃありません!」

「うわぁ!?!?」


 不意に左耳に入ってきたカワボに、俺は思わず声を出して驚く。

 見ると、そこにはどこかで見たことのある少女が一人、ベッド横の椅子に腰かけていた。


「良いですかトルハさん! さっき居たような草原は野生のモンスターが多く生息する危険区域です! トルハさんみたいな若い男性一人で入るのはとても危険なのです。幸い、今日に限っては聖女である私が居たから何とかなりましたけど――って、聞いてます!?」

「え、俺!?」

「もう! この状況、私が話しているのはあなただけでしょう!? バカにしているのですか!?」

「え、や、だってさっきトルハって……」


 俺がそう言うと、少女は「はぁ!?」とでもいうような見事なしかめっ面をしてくる。


「何を言ってるのですか? あなたがトルハさんでしょう?」

「いや、俺の名前は平井(ひらい)大翔(はると)で――は?」


 俺は部屋の隅に置かれた鏡に映る自分を見て情けない声を漏らす。


「ど、どうしたんですか? ――って、ちょっ! どこに」


 まるで不審人物を見るような目で見てくる少女を差し置き、俺は鏡へと近づく。

 そこには服装こそ、質素な物だが現実の俺とは比べ物にならないほどに容姿の整った青年がつっ立っていた。


 そういえば、この子さっき自分が聖女だとか言ってなかったか? ――はっ、まさか!?


 そこで俺の勘が働く。そう、長年のラノベやアニメ、ゲームで培ってきたオタクとしての勘だ。

 聖女、それは俺が眠りに就く前に読んでいたエ〇漫画に出てくる、あの少女。謎の既視感はもしかして――


「もしかして俺、エ〇漫画の世界に転生したんじゃねぇぇぇぇ!?!?!?!?」

お読みいただきありがとうございます!

この小説は、『ガイドラインギリギリ』をテーマに書いていこうと思っています!!

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