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記憶の花束  作者: 七星北斗
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 私が、誕生日に願った我儘は、若返って、もっと愛する人と一緒にいたい。


 そんな願いだ。


 その日の夜は、不思議な夢を見た。


 夢を見た次の日、誕生日パーティーの記憶を失くした。


 誕生日の0時を境に、一日経つ毎に、一日分若返る。


 しかし、一日若返った分だけ一日分の記憶を失くす。


 最初は若返ることを喜んだが……少しずつ違和感を感じるようになった。


 私の大事な記憶を失くす度に、とても悲しい気持ちになる。


 私は、このまま若返ることで全ての記憶を失くすのだろうか?


 だんだんと自分がわからなくなってきている。



 山口太郎

 92歳。幸せな人生を楽しんでいる。突然の若返りに戸惑っている。

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