第28話 教室対抗戦(4六銀左急戦-2)
ご覧いただきありがとうございます。
前話について、修正があります。
先手、後手の手数が一致してなかったのです。(何たる失態)
一応、画像は消してあります。
修正はしたくなかったのですが、修正ていきます。もうしばらくお待ちください。
結果的にみると、僕の攻めは無理攻めだろう。
さて、通るかな。
通るというのは、相手の受け方を間違えるってこと。
アマチュアの将棋は「間違えたら負ける」
だから、勇気の一手が勝ちになることが多い。
相川さんはまず「△4六歩」と銀を取る。
「▲3三歩成」として、桂馬をとったあとの飛車と銀の両取り。
それはさせじと「△同銀」とし、僕も「▲4六歩」と相川さんの攻めを一旦断つ。
相川さんは「▲同飛」
(ここだ・・・)
何を指そう?
「▲4七歩」と受けるか、「▲2四歩」と攻めるか。
「▲2四歩」は確かに飛車の動きを活発にできそうだけど、明らかに遅い。
(うーん)
僕は悩んだ末に「▲2四歩」とした。
相川さんは「△5六飛」と歩を取り込んだ。
(「▲2三歩成」を受けない?)
凄く違和感。これは何か狙ってそう。
時間をかける。
次に指したい手がなにかあるはず・・・・。
(5五角だ!)
「△5五角」を打たれると、飛車と香車の両取り。
確かにこれは厳しい。
(うーん)
悩む。すぐに解消するならば。「▲4七飛」と相手の飛車を追い返すんだけど・・・
(5五角を防いでいることにはならないんだよね・・・・)
悩んだ先に選んだ一手は「▲4六歩」
これには相川さんも驚く。
飛車にタダで取られるところに歩を打ったのだ。
けれど、すぐに意図を察したようだ。
「△5五角」と打たれても、飛車はすぐには取られない。
だから、「▲3三桂」などで香取りと角成を防ぐことができる。
そこで相川さんが指した一手は「△5八飛」
なんと、ここで飛車を切って、守りの金を取ってきた。
(これは強い。攻め切るつもりだ)
確かに相手の穴熊は固い。
穴熊を攻略するのに大駒は役に立たないことがある。
それならば、の選択なんだろう。
「▲同金」の一手。
次の相川さんの手は・・・・?
「△4九角」
(うーん、厳しい)
直接の金取りにかけて飛車も狙う。
単純に「▲5九金」と逃げると「△2七銀」で飛車が死ぬ。
(これも悩む・・・・)
「▲4七銀」
と、例えさっきの銀を打たれても「▲4八飛」と逃げられる場所を確保。
(細かい・・・・)
「△3九銀」「▲2六飛」「△3五金」
持ち駒をすべて使って飛車を取りに来た。
(ここまで持ち駒を使わせたら守り切れるだろう)
僕はそう思って飛車を諦め、「▲5九金」と角を狙う。
そして、大駒の交換が進む。
(ここの戦いは僕が大分リードしただろう)
そう思っても、金銀と角桂馬交換。
相手の駒は自陣に二つ、こっちはゼロ、相手の囲いは固いままでこっちは崩壊状態。
救いは相手の持ち駒が飛車と歩のみといったところ。
(有利だとは思うんだけれど・・・・)
対局が進む・・・。
・・・・
「参りました」
と相川さんの投了。
「ありがとうございました」
と僕は頭を下げた。
「水無瀬君、強くなったね。やっぱり、予想通り。かわいいね」
僕は嬉しくなって照れる。
右の方から負のオーラを感じるけれども、今は見ないようにしておこう。
ん?その先からはなんだか、キラキラしているオーラも感じるね・・・?
「中盤の飛車切りはやっぱりやりすぎたね」
と相川さん、このまま感想戦に入る。
「でも、怖かったよ? 金と銀でじわじわ攻められてきたし。穴熊固いし」
「ふふふ、穴熊の魅力は「間違えてもなんとかなる」だからね」
「なるほど、僕はどうしても逃げ道がないと怖いなぁ」
「だけど、選択肢の一つに入れておくといいよ。格上相手には役に立つことがきっとあるわ」
「うん、わかったよ」
「うん、やっぱりかわいい。スマホはもってるの?」
「ううん、まだ小学生だから持っちゃダメだって」
「そっかー、お友達になりたくても連絡がとれないね。困ったわ」
「大会でまた会えるよ。相川さんの通う教室も今日知ったし!」
友だちは多いほうがやっぱりいい。
僕は笑顔でそう答えた。
「そうね。じゃあ、次は必ず勝つよ! でも、まだ他の人が対局して時間があるから、もう一局しない?」
「いいよー。ぜひ、お願いします」
2局目が始まった。
さっきとは違って、僕は後手番にない、戦型は相居飛車だ。
(やっぱりこっちが得意なのかな)
チェスクロックとは違って、あまり考えずにそれでも一生懸命に感覚的に指す。
(早読みはやっぱりすごい、地力の差は大きいな)
僕はそう感じていた。
「参りました」
僕は頭を下げる。
「ありがとうございました」
相川さんも頭を下げた。
「楽しかった。次はだれと指そうかな? うーん、やっぱり高槻さんかしら?」
と、相川さんの目がちょっと鋭くなる。
・・・・なんだかちょっと怖い。
「相川さんて何年生なの?」
僕は尋ねた。
「私は5年よ。水無瀬君は?」
「僕は3年生、そうちゃんと同じ学年。高槻さん、茨木さんは4年生なんだ」
「そう、私たちは皆5年生。中にはプロを目指している子もいるわ」
「プロ?」
僕は驚く。
「そう、男の人のプロはまだまだ難しいかもしれないけれど、女流プロなら目指せるかもってね。今は女性棋士も増えてきたし」
「へぇ、すごいね」
プロは僕にはよくわからない。ただ、ものすごく将棋が強い、そんな印象だ。
そういう人を目指して頑張っているなんてすごい。
「水無瀬君はそういうのないの? 3年生で1級ならかなり早い方だよ?」
「うーん、そういうのよくわからない。みんなと将棋を指しているのが楽しいから」
「そう、水無瀬君、やっぱりかわいい」
相川さんはどうして僕をかわいいと連呼するのだろう?
周囲の対局も終わったみたい。
結果は・・・・勝ったのは、僕、高槻さん、茨木さん。負けたのはそうちゃんと5人目の子。
5人目の子は男の子だけど、女の子と指せて嬉しそうだった。
続けて指したがっていたけれど、帰る時間になったみたいだ。
「じゃあ、次に行こうか」
2戦目が始まる。
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