第26話 教室対抗戦(ルール、対戦カード)
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教室対抗戦の日。
桜井将棋教室はいつものように賑わいは続く。
全員が参加するわけでもなく、参加しない生徒はそのまま日常のお稽古が続いていく。
僕たち4人は、隣の市からの来訪者を迎え入れるための準備をしている。
見てわかる準備は、練習試合をするシマを確保して掃除したくらいだけど。
他には、勝つためにどんな将棋をしたらいいのか考える、そんなおもてなしだ。
高槻さんも、茨木さんも気合は十分。
一度負けた相手の棋譜は覚えているらしい。
半年前なのによほど悔しかったんだろう。
そうちゃんは試合形式は初めてだ。
練習試合とはいえ、かなりそわそわしている。
「たっちゃん、サッカーの試合みたいに緊張するな!」
へぇ、そうちゃん、サッカーしてたんだ!
そんな、感想が僕から漏れる。
「サッカーは困ったらみんな助けてくれる。だけど、将棋は誰も助けてくれないからプレッシャーだな」
そうちゃんは不安そうだ。
「あら、そうでもないわよ? 自分が苦しい時、周囲の仲間を見るの。友だちの姿は私に勇気をくれる。前の試合はそうだった」
「雛ちゃん、なんだかかっこいいね」
茨木さんの声に、高槻さんは照れる。
「そう思うよね? たっちゃん?」
高槻さんは、照れ隠しのため、僕に話題を振ってきた。
「よくわかんないけれど、みんなでできると嬉しいな」
それを聞いて、まず茨木さんかニコッと笑顔になり、それが伝染していく。
「がんばるぞー!」
「「「おー!!」」」
と自然に歓声を上げていた。
◇
「おはようございます。本日はよろしくお願いします」
と、女の人の声が聞こえた。
「おお、淡路先生。よく来てくれました。今日はよろしくお願いします」
桜井先生があいさつに向かう。
淡路先生に連れられて、女の子が5人ほど入ってきた。
「お、女しかいない!」
そうちゃんは驚く。
この前の将棋サロンと言い、そうちゃんの反応は実に面白いな。
「あ!」
と、前に対戦した女の子を見つけた。
「あら、おはよう。やっぱり、また会えたね。私は相川朱里ていうの。よろしくね」
その女の子も嬉しそうだ。
「おはようございます。水無瀬達也です。また会えて嬉しいです」
よかった、その笑顔が見れて僕も嬉しい。
「たっちゃん、今はその辺にしておくといいよ?」
と、茨木さん。
どうしたんだろうと、茨木さんの方を見る。
茨木さんの隣にいる高槻さんがすごい目つきで僕を睨みつける。
高槻さんと目が合う。
「ふん!」とでも、言ったようにすぐに高槻さんはそっぽを向いた。
「???」
僕には訳が分からない。
茨木さんの目は悪いとは思いながらもコイバナモードに入っている、そんな感じだ。
(なんでコイバナモード?)
もう一度言う、僕には訳が分からない。
となりでそうちゃんがくすくすいっている。
「たっちゃん、もう少し大人になったらきっとわかるよ」
そうちゃん、なんでそんなに上から目線?
僕と同じ年だよ?
まぁ、高槻さんの態度はさておき、そんなに嫌われてた訳でもなさそうなので、おとなしく茨木さんの言うことを守ることにする。
「さて、今日は誘ってくれてありがとね。私たち、「淡路将棋教室」から5人来ました。お互いたくさん指していい将棋をしましょう。そして、仲良くね」
淡路先生が僕たち4人と先生を集めたところでそう挨拶した。
「僕からも一つ。この中から一人でも代表として全国大会に興味を持って、行ってくれたら嬉しいなぁ。さて、時間も惜しいから早速やろうか。ルールは5人戦。20分切れ負け。3勝したチームの勝ち。1試合じゃなんだから、こちらのチームは固定。淡路先生の所は、一試合ごとにひとつずつずれて5戦やろう」
と、桜井先生が説明する。
「先生、私たち4人しかいないよ?」
と高槻さん。
「問題ないよ、俺の教室だし。5人目はいっぱいいるよ」
と、生徒の方を見る。
「なるほど」
と僕は頷いた。
「では、俺は5人目を読んでくるから、君たちは席について。そちらの生徒さんはまずは好きな相手の所に行けばいいよ」
と指示を出してくれた。
言われた通り、5人目の席を大将として空席にして、そうちゃん、僕、高槻さん、茨木さんの順で座った。
淡路将棋教室の子たちも座っていく。
僕、高槻さん、茨木さんには前の大会で勝負した女の子たちが着席した。
「えへへ、よろしくね」
「次も私が勝つからね」
「水無瀬君がどれだけ強くなったか、楽しみです」
それぞれ僕たちに声をかけてくれた。
「私の方こそよろしくね」
「待ってたわ。今日は必ず勝つよ?」
「相川さん、攻め切ってみせるよ!」
と、僕たちも負けずに気合を入れる。
「あ、あのよろしくおねがいします・・・」
「お、おう。俺はまだ初心者だ。よろしく」
なんか、初々しいところもあるみたいだけど。
あ、茨木さんの目が光った。
高槻さんが茨木さんを睨む。ついでに僕も睨みつける。
なんだか、大丈夫かなぁ、僕のチーム。
5人目も無事に着席した。
少し、心配しながらも緒戦がはじまる。
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練習試合ということでルールはオリジナルです。
楽しいゲームをするためのルール。
作中の彼らは盛り上がってくれるんでしょうか。




