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第22話 雨降って地固まる

ご覧頂きありがとうございます。

6日連続100PV達成してしています。

毎日続けると読者が増える。これは、本当に自信に繋がりますね。

なろう、では底辺かもしれませんが、私にとっては日々テッペンです。

「高槻さん、茨木さん、そして水無瀬くんだっけ? 一体何があったの?」

先生が僕たちに尋ねた。


職員室の隅っこの応接室らしいところに4人座っている。

保健の先生がと僕たち3人だ。


僕が何を言おうか戸惑っているところに、

「将棋を指していたら、たっちゃんが泣き出したんです」

と、高槻さんが僕の顔を見て優しい表情になった。


「そうなのです。雛ちゃんがごめんねって言ったんだけど、原因は雛ちゃんじゃなかったみたいで」

そう話して、茨木さんが僕の頭をなでる。


2人の優しさに心を打たれた僕。

まだ、頭は混乱していたけれど、ゆっくりと話しはじめた。


「高槻さん、茨木さんは悪くないです。悪いのは僕です。なにもされていないのに勝手に泣き出して、迷惑かけて・・・・」

「たっちゃんが泣くの初めてみたよ」

「ごめんなさいね、気づいてあげられなくて」

高槻さん、茨木さんの優しい言葉が僕の涙をまた誘う。


「よしよし、大丈夫だから。まずはゆっくりと心を落ち着けてね。何があったの? 先生に教えてくれるかな? あなたたち二人は授業に戻っていいわよ」

「一緒に聞いてもいいですか?」

と高槻さん。


先生も一瞬悩んだが、

「わかった。水無瀬君が嫌じゃなかったらいいわよ。どう? 水無瀬君?」

と話題を振られた。


「僕は嫌じゃないです。いてほしいです」

そのことばで二人が残った。



僕は2週間前のそうちゃんとのやりとりを3人に伝えた。

ひとつ、急に生意気だと言われたこと

ふたつ、それからそうちゃんと話せなくなって寂しかったこと

みっつ、生意気に心当たりがなくて悩んでいること


「そんなことがあったんだね」

高槻さんは悲しい顔をして僕を見た。


「出会ったときと今とたっちゃんは何も変わりはないけどね。クラスの女子が私もたっちゃんの頭を撫でたいって言うのを聞くくらいかな?」

茨木さんが続く。

僕の頭をなでてどうするんだろう?と疑問も湧いたが、それどころじゃない。


「わかったわ、担任の先生に相談してみましょう。きっと、当人同士でお話ししたら解決するでしょう」

と先生はアイディアをくれた。


「わかりました」

と僕は頷く。


「うん、大分落ち着いたわね。どうする? 教室に戻る?」

2人が心配そうに僕を見つめる。


「うん、いきます」

と僕は答えた。


「ありがとうございました」

と職員室を出て、3人トイレに向かう。

顔を洗った方がいい、とのアドバイスがあったからだ。


「二人ともありがとう。嬉しかった」

僕はお礼を言った。


「ううん、友だちなら当然でしょ!」

「ホント、悩んでたの、わからなかったよ」

と二人からフォロー。


次は放課後に呼び出されるんだろうな。

そんな予感を心に抱きながら、顔を洗った後、自分の教室に戻った。



放課後、帰りの会が終わり、案の定、担任の先生に呼び止められた。

「水無瀬君、山崎君、ちょっと来てくれる?」

僕には心当たりがあるけれど、そうちゃんな不思議な顔で先生に近寄る。


「ここではなんだから、職員室に行こうか」

3人で移動した。


昼休みに事情を聴いてくれた同じスペース。

今度は担任の先生とそうちゃんと僕の3人だ。


「最近、君たち2人はどう? 楽しく遊んでいるか?」

その質問には、僕は答えられない。


「ええ、放課後公園で鬼ごっことかしてますよ」

と山崎君が答えた。


「そうか、最近他の生徒から、君たち二人の仲があまりよくないって相談があったんだ」

僕とそうちゃんは驚く。

あの言葉を聞いたのは、そうちゃんしかいなかった。


「だれだよ? ちくったやつは?」

と、そうちゃんはいら立ちを見せる。


「ふむ、何か心当たりがあるようだね、山崎君?」

その言葉をきいて、やってしまったとの表情を示す。

「そんなの知らないよ」

とそうちゃんはあくまで知らないふり。

僕はどうしたらいいんだろう?


先生は僕の顔を見て、何も言わなくていいと首を横に振った。


「で、山崎君は知っているか?」

「何をだよ?」

「水無瀬君が昼休みに4年生の教室で急に泣き出したこと?」

「それが俺に何の関係があるんだよ?」

「君に生意気だと言われて悩んでいたそうだ」


その言葉から少々静かになった。


先生は続ける。

「山崎君はうちのクラスのリーダー的存在だ。人のことをよく見ているし、よく面倒を見ている。私個人からすると、君からそのようなことを言ったことは信じがたい。でも、実際に言われたと泣いている水無瀬君がいる。何かあったのか、教えてくれないか?」


山崎君は先生の信頼を受け取ると、ううっと声が漏れ、目をぎゅっとつぶって、肩が震えだした。


「俺だって一生懸命やってたんだ。みんなの役に立ちたくて。でも・・・・」

そうちゃんがゆっくりと話し出す。

先生もそうちゃんにあわせてゆっくりと待つ。


「でも?」

十分待った後、先生から催促の声。


「たっちゃんが急に成績が上がった。遊びも急に強くなった。俺はリーダーとして、常に強くなくちゃいけないって、それで・・・・」


「それで?」

「たっちゃん、何も悪くないけれど、許せなくて「生意気だ」って言ったんだ」

それから、しばらく鳴き声が続く。


先生も僕も何も言わない。

そうちゃんが落ち着くのを待っていた。


「そう、よく言えましたね。そうやって自分のやったことを正直に話す。これはとても大切なことです。だけど、その言葉で水無瀬君がここまで悩む、まではわからなかった」

「はい・・・・」

「普段頼りにされているから、その責任感がよくないほうにでてしまった」

「はい・・・・」

先生は優しい口調だけれど、そうちゃんの心をえぐる。

そうちゃんの心は強い。

厳しい言葉にもきちんと返事をしている。


「やってしまったことはどうしようもない。だけど、反省しているなら、これからできることがあります。わかるよね?」

「はい」

と、そうちゃんは僕の方へ向いて


「ごめんなさい」

と頭を下げた。


この時、僕はどんな顔をして、どんなことを考えていたのか覚えていない。

ただ、安心感だけが全身を駆け巡った。


それから先生を交えて3人でずっと話をしていた。

僕はそうちゃんがこれまでどんなに助けられてきたか、いっぱい話した。

そうちゃんはひとつひとつ照れていたけれど、嬉しそうだった。

先生もニコニコしながら聞いてくれていた。


そうちゃんが気になることはやはり僕の成績のことらしい。

僕は正直に話した。

将棋を始めた以外、特別なことは何もしていないこと。

将棋を始めたのでそうちゃんたちと遊ぶ時間が減って悪い気持ちになっていること。

そうちゃんは真剣に聞いていた。


下校のチャイムが流れる。

「そろそろ君たち帰りなさい。一応、保護者の方には連絡しておくからね。でも、怒られることはないだろうから安心しなさい」

と下校を促した。


僕はそうちゃんと一緒に校門を出た。

改めて、そうちゃんには謝られた。

僕は僕のリーダーはそうちゃんしかいないってことを伝えた。

そうちゃんはとても嬉しそうだった。


お互い別れる交差点に着く。

バイバイのあと、そうちゃんが意を決したのか、少し気合の入った声で

「たっちゃん、俺にも将棋を教えてくれ!」

と言った。


次の日の昼休みから4年1組の教室には、4人で将棋を指している姿が日常になった。

ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。

盤面図について、作成方法はわかりましたが、アップの仕方がまだわかりません。

もう少し、改稿にお時間いただきます。

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