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小学生が上級生お姉さんに誘われ将棋を習い始めました  作者: 水無月 右京
第1章 小学生編(将棋との出会い)
13/35

第13話 団体戦!④(予選2回戦ー2)

ご覧いただきありがとうございます。

ご覧いただいている事実、とてもモチベーションになります。

また、続けて投稿できるよう頑張ります!

序盤から相手は「棒銀戦法」での攻めを主張している。

一方で僕は矢倉囲いを組むつもりだ。


(間に合うか?)


これまでの特訓は、高槻さんも茨木さんも「振り飛車党」だ。

対居飛車戦はあまり指していない。


しかも、僕の得意の棒銀で相手はやってきそう。

自分の得意戦法で負けるのはちょっと嫌だな。

だけど、何ができるのかはわからない。


(矢倉は固い。きっと守れる)

そう信じ、「▲5八金」と囲いを進める。

「△8四銀」

次に「△9五銀」を指すぞと言っている。

これは許せない。

「▲9六歩」

と銀がでられないように守る。


「△9四歩」

「▲6七金」

と矢倉の鎧を完成させる。後は角をどけて、玉を8八にするだけだ。


そう考えた矢先、

「△9五歩」

としかけてきた。

※相手の歩の前に自分の歩を置くことを「(攻撃を)しかける」と言います。

※これは「自分の準備は整っている、攻めきれるよ」とアピールしていると相手は捕えます。


(はやい)

「▲同歩」と受けざるを得ない。

「△同銀」とすかさず銀を捨ててきた。


(これはどう攻めてくるんだろう?)

「△9六歩」があるので、これは

「▲同香」の一手。

「△同香」

「▲9七歩」と後手の香成を防ぐ。

こちらの守りを突破されてしまうと、そのまま終盤戦にまでなりかねない。


現状は銀、香交換で、僕が有利だと思う。

ただ、こちらは一切攻めていないので、実は有利とも言い切れない。


相手は「△8三香」と飛車の前に香車を置いて9筋に続いて、今度は8筋の突破を狙う、


(序盤から激しいな)

高槻さんたちと出会う前の友だちとの将棋を思い出す。

ノーガード、ファストアタック。

受けを考えないで相手よりも早く攻める。

早く攻めたほうが勝ち。

わかりやすくて、面白い。

何しろ、自分の守りを心配しなくてよかったのだ。


けれど、囲いを作ることで”相手の攻めの速度を遅らせる”ことができることを教えてもらった。

もっとも、最初は本の見様見真似だった。

だけど、きっちり守れば、相手は攻められないことを高槻さん、茨木さんに教わった。

固い守りは強い。


この対局はどうやら「攻めVS守り」のわかりやすい勝負になるかもしれない。

相手は今の銀香交換のように、駒損を気にせず攻めてくるだろう。

攻め切れば相手が勝ち、受け切れば僕の勝ち。

わかりやすい。


盤面が進む。


どうやら、この攻防戦は僕が勝ったらしい。

相手は持ち駒が歩のみになった。

だけど、勝負は終わらない。

相手は囲いに入る。

僕と同じ矢倉囲いだ。


次は僕の番だ。

攻め切れば勝ち、守り切れれば負ける。

強い人ならば、きっと簡単に勝てるのだろう。

だけど、僕はそんなに強くない。

持ち時間はお互い5分ずつ。

僕と相手のテンションは高まっていく。

時間が切れると負けなのでそこも注意しないと・・・・。


攻めるポイントは「足し算の攻め」だ。

ある地点を集中的に攻める。

枚数が1枚でも勝てば、その地点は破れる。

その地点を破れば、相手の玉が攻め駒の前に顔を表す。

その場所は、僕の得意戦法の棒銀がもっとも発揮される1三の地点だ。

相手の玉が2二にいる。


(ここだ。ここで決めるんだ)


攻撃をしかけて失敗すれば、次は必ず負けるだろう。

だけど、勇気がなければ相手に勝てない。

残り時間を確認して、心の中で一歩進みだす。


「▲1五歩」

いわゆる端棒銀というものらしい。

友だち同士でよくやった作戦。

さっき、相手が仕掛けてきたのを僕も同様に仕掛けるのだ。

違いは僕の角のあった地点が相手の玉に変わっただけ。

この1駒の違いが勝負を分けるんだ。


特に居飛車戦ではこの微妙な違いが大きく変わる。

強い人との居飛車戦はあまり指したことはないけれど・・・・。

さっき決意した気持ちがやっぱり揺らぐ。


強い人と戦うってことはこういうことなんだ。

(負けるかもしれない)


その怖さ以上に今、

(勝ちたい)

と思った。


更に盤面が進む。

最終盤だ。

相手の玉が見えた。

これは捕えられる。

相手は逃げる。


(こういうときは・・・・)


逃げようとする先に駒を置いて退路を塞ぐ。


(これで逃げ場はない!)


数手の先、


「参りました」

と、相手が言った。


僕は勝った嬉しさよりも先に

「ありがとうございました」

ということばが先に出てきた。


「「初勝利おめでとう」」

と僕の両側から声が聞こえた。

高槻さんと茨木さんの声だ。


「ありがとう」

僕は二人にそう言った。

その後、すぐに感想戦をした。

先に攻められたことが怖かったこと。

受け切って勝てそうだと思ったこと。

棒銀に2二玉は攻めやすかったこと。


相手は8級だったらしい。

僕は格上に「平手」で勝ったんだ。


「ありがとうございました」

感想戦を終えた後、僕はどっと疲れが押し寄せた。

緊張が解けたのかな・・・・。


団体戦は3-0で勝ったみたい。

予選通過は決まったものの、お姉さん二人は僕の勝利を本当に喜んでくれた。

勝った以上に、喜びが湧いてきた。

これが、分かち合うってことなんだ。


ママも妹も本当に喜んでくれた。

次の予選は昼ご飯の後らしい。


「昼ご飯にいきましょう!」

皆でファミリーレストランに向かった。


ブックマーク、評価、感想ありがとうございます。

これらは私にとって大きな勇気になります。

よろしくお願いいたします。

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