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精霊王成り上がり戦記  作者: もふもふP
第1章 運命の出会い
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第1話 昔話

 

 この世は全てのものが擬態する世界。


 それは先祖が何らかの現象により、それぞれの擬態するものを確定したらしく、その擬態するものによっては貴族、または王になることが許された。


 私の一族の擬態種はー神ーだった。もちろんその価値は最高峰になる。

 私には姉と兄···およそ十九人の姉兄がいる。私はその中で末っ子。


 五歳になり私はなんの神の擬態になるかと期待された。なぜなら一族の末っ子は大体は一族最強が産まれると過信されていたから。しかし、父と母は兄と姉の擬態に満足出来ずずっと子作りをしていたらしい。


 つまりあれだ、使えない擬態は使い捨て。


 そんなある日、私はついに擬態する日が来た。

 みんなはワクワクと興奮状態で、私は強いの来たらいいなぁ···と思っていたし、逆に弱いのが来たらどうしようと膨大な不安にかられていた。むしろ不安の方が大きいだろう。



「·····ふぅふぅ」

「落ち着いて、アルちゃん。···あなたは戦神に擬態するのよ?」


「そ、そんな無茶な···」


「アテナちゃん。貴方もよ」


「うん!」



 ちなみに私には双子の姉がいた。姉は金髪赤眼でまさに強そうだった。それに比べ私は緑髪に青眼。穏便な外見だろう。


 まぁそれはいい。とにかく今は擬態だ。


 私は死ぬ気で神に祈った。

 どうか母様や父様に見捨てられない擬態をください·····と。



「さぁ、くるわよ」



 ちなみに擬態確定を行う際は私たちの十五歳の生誕祭にて行われる。

 私は体から何かが湧き出てくるのを感じた。



「っく、苦しい···」

「え?アル苦しいの?」


「あ、アテナ姉は··苦しくないの?」


「うん。これっぽっちも苦しくないよ」



 まるで全身を針に刺され、頭を握りつぶされそうで、心臓を締め付けられているような苦しさだった。

 これは流石に異常と母様と父様は感じ取ったのか、急いでドクターを呼んできていた。



「この症状はいったい·····」


「ねえママ!!剣が出せる!」



 霞む視界で目にしたのはアテナ姉が剣をいくつも出して操っている姿だった。

 苦しむ私を無視して母様と父様はアテナを褒めたたえた。苦しむ私を放置して。



「お母さん!ま、まだアルは終わってないよ?」


「アテナは確定したのよ。もう必要ないわ。さ、入りましょう」



 私は匍匐前進で屋内へ入っていこうとする母様と父様の方に手を伸ばす。

 長女のソロモン姉は私の方を心配してくれていた。だけど、それは母様によって阻止されて·····


 みんなは私を見捨てた。

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