C地区の陰謀Ⅱ
1月中旬…。気がついたら終わってた。
C地区の内政
ます頂点に立つ人物がいる。それを総統様と我々は呼ぶ。総統様は軍部参謀議員といわれる方々と話し合いを行い、教育総監・民間総部・総軍部に命令を伝達する。
総軍部は軍令部・参謀総長(参謀本部)・総合軍長(総合軍部)の三つに分かれている。
軍令部の下には軍令次長・第五種総部・副官部・報道部がある。軍令部は軍の作戦を考えたり指揮したりする場所でなく、作戦などを審議する場所である。つまり考えた作戦を軍令部に伝え許可が下れば作戦が展開される。しかし許可されなければ再考となる。
ではその作戦とはどこで考えられるのか。答えは参謀総部である。ここは参謀次長・第五種総部・副官部・第九種総部がある。ここで作戦が考えられる。
先ほどから第五種という言葉が出ているがこれは各課を合わせた総称である。
第一課:作戦課 第二課:軍備部 第三課:情報課
第四課:戦史課 第五課:特務課
以上が第五種だ。では第九種とは?これは九つの課の総称と思った方もいるであろう。しかし答えは否である。確かに元々は九つの課であったが事情により第五種が独立してしまったため、ここは全部で四課しかない。
第六課:戦闘指導課 第七課:研究課 第八課:管理課 第九課:非常措置課
そこで出された作戦等を実行するのが総合軍部である。ここは正規軍部と治安維持部に分かれており、正規軍部・治安維持部には各随員が二〇名ほど付いている。そしてその直下に各隊・各軍がいる。
総合軍部の説明はこれで終わりである。次に説明する民間総部は民間人を管理する場所であり、必要に応じて総合軍部に治安維持隊の出動を要請したりする。
内部構造としては民間次総長・各地総部・副官部そして民間部随員といわれる総計五〇名がいる。各地総部はその国の区分によって数が変わる。C地区は全二五に分割されていたから二五総部と言われている。
そして教育総監とは軍令部の第五種総部の第四課から受け取った情報などを活用して正しい教育を導かせるための部署である。
要するにC地区は民間・教育・軍が総統様といわれる人物と軍部参謀議員数名によって保たれているというわけである。説明が遅れたが軍部参謀議員は総軍部の参謀総部から四年に一度総統様から任命によって選ばれた人間がなる。主な候補は参謀総長と副官部からである。参謀総長が選ばれた場合は参謀次長が参謀総長となり、参謀次長は参謀本部内部の会議で任命される。
この組織に入るには専門の学意院に入り成績優秀者として卒業する必要があるとのことである。
という頭が痛くなる話を私は聞いた。ルミア君は興味心身で聞いていた。誰から聞いたかというとウィズ・デグンというC地区の男からである。男は自分がお前らの世話をする人間だといっていた。彼は嫌なイメージで無くC地区の中では一番良いイメージを持てる人である。丁寧な言葉扱いであり、質問にも答えている。先ほどの頭が痛くなる話はルミア君が質問したため男が説明したものである。
唯一親がどこにいるかだけは答えてくれない。
毎日毎日同じような事を繰り返す日々が続いた。実際には一週間だったが起きては食事が支給され、デグンさんが来て話をしたりする。友人とも話したりしてまた食事を食べ寝るだけ。
まるで飼われてるような気分であった。
そんな日常も終わりを告げた。
「皆、親に会いたいか」デグンさんがその台詞を言ったときはとてもうれしかった。皆一斉に声を挙げ賛同の意思を示した。
そう言えば気になる情報も得ている。ここに来る前に入れられた部屋にいた他地区の子供。どうやらD地区の人間らしい。D地区の内政はここのC地区とほぼ全て同じだという。
A地区は…。まだ習っていない。
しばらく通路を歩かされ階段を下りた。長々とただただ降りた。こんなに上ってきたのかと思うほどの時間がたった。
気がつくと窓は無く薄暗い通路へと変わってきた。デグンさんは時折後ろを見てこちらの様子を伺ってくる。少し進みすぎていると歩みを遅らせたりしていた。
「えーっと。皆いるよね」デグンさんは立ち止まった。その前には部屋があった。
「ここにいるの? そうでしょ」親がいるのかとデグンさんに聞く女子の声。デグンさんは作り笑顔をみせた。
「そうだよ。まずは全員部屋に入ってね」ガチャ…と部屋のドアを開ける。中は赤と黄色を使った豪華な敷物がしかれ、壁には何やらよくわからないが高価そうな物が飾られてあった。
突如デグンさんは部屋から素早く出た。何事かと振り向いたときにはドアは閉められカチッという音がした。誰かがドアを開けようとしたが開かない。
そのとき奥から「はい、注目」と低い声が聞こえた。