答え無き問
A地区の日常2を書く予定でしたが、大した意味ないがない回なので省略しました。
そろそろ物語動かしていきます。
旧年号歴と新年号歴の間には空白の1年間がある。これは宗学で一番最初に習い歴学Ⅰ/Ⅱでもチラッと習ったことがある。
何故新年号歴もしくわ、旧年号歴に入れられなかったかは詳しくわからない。ただそこに触れられる文章が他の地区にあるという。何故他の地区にあることが分かるのか?そして何故その地区には文章がありこの地区にはそれの複製書も無いのか。
地味に暑い布団の中で私はそう思った。・・・暑い。私は布団を蹴り飛ばした。ヒヤッとした心地よい温度が自分の体と触れ合う。もう1回やろうかというくらい涼しく、気持ちが良い。・・・なんて事をしてる暇ではない。今日も学意院じゃないか。
こんな変なことをしているから毎朝毎朝、学意院に行くために家を飛び出る羽目になるのだ。そして、私は今日も学意院目指して家を飛び出す羽目になった。
学意院に同時刻に入り込んだのはウィリアム・フリーク君であった。彼はいつも起こっているように見えるが、実際やさしい人である。人は見かけによらずとはフリーク君の事を表しているかのようである。彼は3年受講生の中で3人の13歳の中の1人である。
さて今日の科目は宗学・文学・歴学Ⅰ・国学か・・・。文学というのは言葉の勉強である。 文字の読み書きや音読が主な内容だ。
3年受講生用歴学教室はいつものように騒がしくない程度の会話が聞こえてくる。いつもの如く時間が流れ講義が始まる。
しかし歴学Ⅰは範囲が広すぎる。平べったく浅く説明すると言っているがやはり多く感じる。感じるというより実際2051年あるのだから長い。にしても旧年号歴の前にさらに何千年もの歴史があるなど考えるだけで気が遠くなる。
国学は今回少し興味深い内容があった。新年号歴18年まで連絡機というものが存在していたらしい。これにより他の地区の存在などを知ることができたという。
しかし次第に連絡機は繋がらなくなっていったという。そのため他の地区の事情は101年も更新されないままだ。成程・・・朝考えていた事が今日ようやくわかった。
そして今日も学意院が終わる。なんか疲れたため今日はまっすぐ帰ることとしよう。それにしても近頃貧血とやらの症状が酷くなってきているのではないだろうか。立てば視界がグラつき足元がフラフラする。
よほど疲れていたのだろうか、私は家に付き布団に入る。その瞬間から記憶が消されたかのように眠りについた。
暗い空間が見え始めた。夢だと自覚した。できれば見たくない夢が始まる。A地区から脱出しようとしたのはまだいい。ただの記憶映像にすごないのだから。でもこの夢は違う。 ここはどこだ?気が狂いそうな色の施設内の風景が両目に入り込む。狂いそうな色といってもみず色に黄緑を混ぜたような色だ。この施設内で未だに人を見ない。まあ自分が動かないのだからどこかに人でもいるのかもしれない。だがこの夢の中で人を見つけるとそれはそれでヤバそうである。自分は横に道が一本ある。自分は一番端っこにいる。
目の前は壁ではなく鉄格子がある。鉄格子の中には螺旋階段があるのが見える。螺旋階段はさらにもう一つの鉄格子の中にある。触らないが鉄格子は開けれないとわかる。
そして階段を登るとここから出れることだけわかる。でもそれ以外は何もわからない。
・・・ゆっくりと目を開ける。目が覚めるといつもの寝室である。「ハァ」ため息が出る。なんなんだあの夢は。もうウンザリだ。底なしの恐怖を味わうわけではないが、あそこに自分以外の何かがいると考えると怖い。むしろいない方がいい。
外を見ると眩しいばかりにオレンジ色が光る。「夕方か」体を起こして居間に行くと母親が夕食を作っている最中だった。
それから数時間が立ち本来ねるべき時間が来るが寝れない。だがまあ、無理にねる必要はない。明日は学意院は無い。だから朝早く起きれなくても大丈夫・・・。
という訳で次の日は普段より二時間ほど遅く起きた。「よく寝れた」と思う。そして布団からゆっくり出る。今日は涼しいな・・・。空を見ると曇っているようだ。
私は次の瞬間ある事実を直視した。いや、違和感を感じた。なんというか酸味がある匂い?というか鼻をつくような変な臭いがする。
「なんだ・・・これ」酸っぱいにおいだけでない。生臭い。
「何なんだよこれ・・・」頭が熱くなった気がした。ただの臭いであるにも関わらず頭が溶けるような感覚。不思議で未知なる感覚。頭がよじれる。えぐられてる。かき混ぜられている。
頭をかかえて座り込む。ゆっくり深呼吸をしようと心がけるが息が荒くなり、心臓が激しく鼓動する。「落ち着け」自分に言い聞かせる。
そうだ居間に行こう。きっとこれもFeって奴が不足しておこる症状なんだ。少し多めにとったほうがいいのかもしれない。
立ち上がろうとする。「・・・?」
何でだ、力が入らない。困惑する。何でだ。答えを求める声が脳内で繰り返し再生される。わからない。
胃の中から何かがせり上がってくる。気持ち悪い。体が悲鳴を上げている。危険だと、そう告げている。でもどうすればいいのか・・・対処法が分からない。
「ぐあっ」全身が痺れる。痛い、痛い、痛い、痛い。涙が反射的に出てくる。視界が霞む。音が響く建物内に閉じ込められ、外側からガンガン叩かれているかのようだ。頭が壊れる寸前のところで誰かが部屋に入ってくるのが分かった。
視界が霞み誰かが分からない。でもこれで多分助かった・・・。はず。手で涙を拭き取り顔を確認する。
その人物の表情を読み取った瞬間私は戦慄した。
次回:邂逅
予定日:結構先かな?