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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第十四話『暴れた数だけ強くなって、優しさを知ろう』
82/88

#81


 それから冬休みが終わり、高校1年生としての最後の戦い――いや最後の試練、三学期が始まった。三学期なんてあっという間よ? 行く1月、来る2月、去る3月――。最後の3ヶ月なんてホントにあっという間なんだ。


「うあーっ。冬休み終わっちゃったなぁ〜」

「始業式もなー。来年から、オレたちも2年だぜ。後輩出来るぜ」

「4月になったらいよいよ新1年生の出番だな。どんなヤツが来るんだろう」

「楽しみよね♪」


 始業式の翌日、休み時間。俺はリョウや、学級委員の山科(やましな)エリカと来年のことでおしゃべりしている真っ最中だ。黒髪のほうがリョウで、茶髪をまとめたほうがエリカ様。そして俺は紫がかった黒髪な。覚えといて。


「素直な子がいいなー。」

「オレは、元気のあるヤツがいいな。おっとりした子でもいい」

「ワイルドな人もいいかもしれないわね。かわいい子も見てみたいかな」

「なんにしたって楽しみだなー!!」


 いつもスカしてるリョウも、いつも真面目にしてるエリカも、どんな後輩が来るのか本気で楽しみにして満面の笑みを浮かべていた。俺も心からほがらかに――。


「おーい、そこの三人! 授業始めるぞ!」

「ひえっ、すみません!」

「お、オレたちすぐ戻るんで!」

「あたしもーっ」


 ヤベェ担任の先生来た! 体育会系でいかつくて怒りっぽいけど、根は優しく誠実な担任キター! 俺たち三人は急いで担任の長浜先生に謝って席に着くと、次の授業に使う教科書にノートを取り出して、あとペンと消しゴムも。よっし! これでなんとか乗りきるぞ。



 ▽▲▽▲▽



 それから放課後の帰り道、俺はリョウと一緒に日が沈みはじめてきた空の下を歩いていた。


「来年から部活どうしような。せっかく高校入ったのになんにも出来てなかったし、結局高校でも帰宅部なのかねぇ」

「ははっ! そんなこと気にしてんのかよ。まあ何とかなるっしょ」

「あのなあマサキ、お前ちょっとのんきすぎじゃね?」

「心に余裕があるって言ってほしいなあ」

「お前そんな調子じゃエリカさんからどつかれるぞー」

「ははははっ」


 慌てない慌てない。のんきなんじゃない、俺は心にゆとりを持って日々を過ごしているのさ。今から焦ったってなんにもなんねーじゃん? それじゃカッコつかねーし、意味ねーし。


「それよりさ、この前百合ほど高級な趣味はないって言ってたよな。なんでそう思ったんだ? BLと同じで非生産的な恋愛だよ?」

「いや、男同士の恋愛ってなんか絵的にその、キツいんだよなぁ」

「確かに! その点じゃ女の子同士の恋愛は柔らかい感じがするよね」

「元々人間の体って女をベースに作られてるそうだからなー。だから敷居が低いのかもしれない」

「それ、有名な話だよな。土偶も女体をモチーフに作られたそうだしな」

「男から大事なもの取って、おっぱい付けただけって言ったらそれまでだけどな」

「おいおいっ!」


 ――なーんて、女子の前じゃ絶対出来ないようなくだらない話題で盛り上がってました。そのあとはとくに何事もなくおうちに帰りますた。せいぜい読んでるラノベや漫画に、いま観てるアニメの話をしたぐらいかな?


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