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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第十四話『暴れた数だけ強くなって、優しさを知ろう』
80/88

#79


 ――この冬休みは今までおうちでゆっくりしつつ宿題やったり、友達んちに行って遊びつつお勉強したり……、それが半々だったな。と、冬休みが終わったようなことを言っているがまだまだ続いてるよ。正月休みはもうちょっとだけ続くんじゃ。


「マサキ〜、宿題やってるの〜?」

「もう終わったよ。あとは有意義に遊びながら過ごすだけー」

「早いのね、もう終わっちゃったの。ルミは〜?」

「あたし、まだー。全然できてなーい」


 宿題終わらせちゃった俺は、コタツでほっこりしながらテレビ観てました。お正月ならではの特番だ。といっても、新春初笑い大会とかドキュメンタリーとかは終わっちゃったけどな。あ、でもお笑いはまだやってるわ。やべぇチョー受ける! 笑いがとまんねえ、わははははははは!!


「だからって遊び呆けてちゃいかんぞー。宿題終わったんならルミの宿題手伝ってやんなさい」

「はーい! そのつもりしてたよ、お父さん!」


 この眼鏡をかけたごくありふれたおっちゃんは俺のお父さんだ。いや、それにしちゃ渋くてカッコいいかな? 本人によれば若い頃は相当なイケメンでその甘いマスクで周囲の女の子たちをメロンメロンに、あ、いやメロメロにしていたらしい。――でも、なーんかそういう風には見えないなあ。


「えっ。アニキ、宿題手伝ってくれるの?」

「さっきっからそう言ってるだろぉ? いまから準備してくっからもうちょい待ってなさい」


 ルミにはっきりそう告げた俺は、2Fに上がってマイルームで準備を整えてもう一度1Fへ。あ、歯磨きと洗顔はもう済ませたよ。


「お待たせっ。ルミ、お前は準備できたか?」

「え。宿題手伝ってくれるんじゃ?」

「せっかくの冬休みなのに家の中にこもってちゃダメだ! レンに連絡しといたからレンの家で一緒に勉強会だッ」

「れ……レンさんと!?」


 ルミの宿題をお手伝いする。そうとは言ったが家の中でやるとは言っていない。わが友レンにルミの宿題のことを話したところレンは潔く一緒に手伝ってあげようと承諾してくれた。だからあいつの家までルミと一緒に行くのだ。


「あれ、レンくんちに行くの?」

「うん、そこで勉強会すんの。近くだからいいよね?」

「いいわよ〜、暗くなる前に帰ってきてね〜」

「おっけーい! そんじゃ決まりだなっ!」


 許可は降りた。ルミよ、一緒に行こう! 戸惑うルミの手を掴んだ俺は家を飛び出し、わが友神戸レンが待つ神戸(かんべ)家へと向かった。



 ▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲



 とまあ、そうして神戸家まで遊びに……いや勉強会をやりに来たわけだけども、玄関開いてるのにレンはいなかった。まさか俺たち兄妹を差し置きどこかへ遊びに出かけたのか? そうなのか!?


「レン、おいレーン! いるのかー? いるんなら出てこいやーい!」


 なんて大声出してたら、レンのお母さんがやってきた。うちの母さんに負けず劣らず若々しくて、なかなかの美人だ。髪色は息子とおんなじ。お父さんもいるそうなんだが、あんまり会ったことないなあ。


「マサキくんにルミちゃんこんにちはー! レンに何か用?」

「レンさんのお母さんこんにちはー!」

「レンからなんか聞いてないー? 俺と勉強会やるって!」

「そういえば言ってたわねー! いま呼ぶからちょっと待ってて」


 レンのお母さんこと晴美さんは、階段のほうを向いて息を大きく吸い込んだ。まさか……大声で呼ぶ気じゃ。



「レン、レーン! マサキくんたち来たわよ! 降りてらっしゃい、レーン!!」



 やっぱりか! しかも思ったより声デカっ! 当然のごとく(?)俺とルミは大きくずっこけた。


「うるさいなー! いま経験値稼ぎしてるの!! 用事ならあとにしてよー」

「マサキくんたちと宿題するんじゃなかったのー?」


 晴美さんのその一言を聞いた瞬間、レンが血相変えて部屋から飛び出してきたのは容易に想像が付いた。ってかあいつ、煙が立つくらいスゲー勢いで降りてきたんですけど!? 目付きが危ないんですけど!? こいつ、さては夜更かししたな? だから寝不足で目の下にクマが出来てて全体的にげっそりしてるんだ。


「お、お待たせ! 上がって上がって!」

「あ、う、うん」

「お邪魔しまーす……」

「あとでおやつ持ってくからねー」


 やれやれ、前途多難だぜ。こっちは遊びに、いやいや勉強会しに来ただけだってのに――。


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