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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第十二話『予想を裏切り期待を裏切らない』
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69/88

#68


 競争した結果はビリケツ。悔しい思いでいっぱいだが今はそれどころではない。文化祭の打ち上げを楽しまなきゃな。


「いらっしゃーい♪ みんな、今日はお疲れ様〜。ゆっくりしていってね〜」

「今日は楽しかったねー! さ、打ち上げやりましょう!」


 出迎えてくれた山科姉妹はどっちも笑顔がまぶしいほどに明るい。どっちも美人だしかわいいし、まるで女神様と天使のようだよ――。


「おおっ……これは……うまそーだなー、おいっ!」

「ケーキにポテチに、それから……って甘いもんばっかりだな」


 テーブルの上に並べられていたのは、ケーキやポテチにフィナンシェ、その他――といったお菓子類。これだけあったら晩ごはんが要らなくなるかも知れないな。あとジュースやお茶も人数分置いてある。


「お菓子ばっかりだね。けど、嬉しい」

「食べたあとは、ちゃんと歯を磨いてね。虫歯になっちゃいますから~」

「はぁい!」


 山科姉妹の長女、エリノ先生が俺たちに歯みがきをするように呼び掛けてくれた。もちろんやるつもりだけど、これお菓子だけなんかな。ケーキとチキンだったら打ち上げじゃなくてクリスマスパーティーになっちゃうけど。


「では、かんぱーい!」

「カンプァァァァイ!!」


 さあ乾杯、いよいよパーティーの始まりだ。そこの一人だけ調子外れに叫んでるヤツは誰だ! はい、俺です。ついついテンションが上がっちゃったのよぅ。


「おいしい〜!」

「打ち上げで食べるおやつはウマいなぁ!」


 ケーキをフォークでひとつまみして口へ運び、感激する橘さん。俺もオレンジジュースを飲んで感激だ。


「来年はメイド喫茶やりたいなぁ。そうだろうマサキ!?」

「え? あ、ああもちろん!! やーってやるぜ!!」


 リョウから何故か来年に懸ける熱意があるか確認された。もちろんメイド喫茶やりたい気持ちはリョウ以上にあったので張り切って答えた。つもりである。「メイド喫茶かー、いいなあ」と、神永さんは憧れを示している。でもクラス違うのよね――メイド姿の神永さんって、想像するだけでもたまらん。たまらん!


「エリカ、執事喫茶はやってみてどうだった〜?」

「楽しかったよ。わたしもみんなも、とにかくテキパキ働いて! 忙しいったらなかったわ」

「うんうん。それに接客するのも楽しかったなー、お客さんと直接ふれあってる感じがして」


 エリカとリョウは執事喫茶での出来事を思い出しながら、エリノ先生からの質問にしっかりと答える。二人のこぼれた笑みからは「やりとげた」っていう達成感が感じられる。


「俺も執事喫茶にいたけど、真壁くんと交代してから仕事なくなっちゃったんだよなあ」

「そういうマサキくんは、何か楽しいことありましたか〜?」

「え、俺ですか!?」


 むむむ、エリノ先生から俺へまさかの質問とな!? 一瞬ビックリしたが、これは答えなくてはマズイ。よし、お答えしましょうその質問!


「そうですね〜、元々補充要員だったので真壁くんと代わったあとは自由行動を取らせてもらえました」

「あら〜。エリカがそうさせてくれたの〜?」

「うん、待たせてばっかりでも可哀想な気がしたし……」

「そっかー、だからマサキくんおばけ屋敷に来てくれたのね」


 俺がエリカから許可をもらって自由行動をしていたことが話題に挙がってパーティー会場内はまたまた盛り上がる。


「あそこマジで怖かった……ちょっとメイクしただけでかわいい神永さんがあっこまで怖くなるなんて!」

「……そんなに怖かったの、おばけ屋敷?」

「うん、そのあと橘さんがいる輪投げコーナーとかバザーとか行ったけど楽しかったわ。お前もおばけ屋敷来れば良かったのに」

「ハハッ! じょっ冗談じゃないぜ、そんな気味が悪いところ!」

「えー、面白かったのになぁ」

「縁起でもない!」


 リョウや橘さんや神永さんと話している中、おばけ屋敷の話を聞いたリョウが笑い飛ばす。なんか必死そうに見えたけど気のせいかな? こいつはおばけ屋敷が苦手……って解釈でいいのかな。そういうことにしよう。


「……そうだ、みんな。来年は何がしたいかもう考えてある?」


 と、そこでエリカがこの場にいる全員に来年の文化祭で何をしたいかを訊ねてきた。元々明るくて真面目な子なんだけど、なんだかとっても目が輝いているぞ。既にやる気を来年度に向けているというのか。


「オレはバザーがいいな。アヤちゃんは何やる?」

「あたしはタコせんかな。今度は食べる側じゃなくて作る側がいいわね。さよりは何がいい?」

「私はプラ板やってみた〜い。あ、お祭りなんだしヨーヨー釣りなんかもいいかもしれない」

「プラ板か、懐かしいねぇ! 小学校んとき、それでストラップ作ったことあるぜ!」

「あたしもやったやったー!」

「神永さん、それいいアイディアかもしれないよ! たまには童心に帰ってみるのもいいと思う」

「えー、ちょっと子供っぽくないかな?」

「そんなことないですよ〜、私もプラ板ほしいな〜」


 それぞれの意見を口にして盛り上がるリョウ、橘さん、神永さん。俺はさっき答えたけどこの際だ、もう一度答えようじゃない。


「マサキくんは何をやってみたいの?」

「俺はさっきも言ったけど、断然メイド喫茶だね。メイドさんが見たいのよ!」

「萌え〜……って感じのお店になりそうですね〜」

「そうでしょエリノ先生! 萌えは日本の文化ですから!」

「うふふ、楽しそう〜」


 言ったった! 言ったったぞ! 萌えとは日本の文化であると、誇りであると。来年こそはメイド喫茶で行くぞ。エリノ先生もお喜びだからね。他のみんなもニコニコしながら俺を見ている。嘲笑か? いや違う、メイド喫茶への期待と熱い思いだ。たった一日限りの出し物でも情熱をかけて取り組む。すごく――良いことだと思う。


「エリカは何がやりたいの〜?」

「カラオケやって、みんなで歌って踊るの!」

「エリカはカラオケかー、面白そうじゃん!」

「そういや行ったことなかったなぁ……」


 エリカはカラオケがやりたいという。これもなかなか面白そうだ、たまにはみんなでワイワイやりたいときもあるだろうし。もし出し物がカラオケに決定したときは俺とリョウは何を歌おうか。いや、そもそも来年も一緒のクラスになるのか? 離ればなれにはなりたくないけどしょうがないよね――。


「来年も楽しくなりそう。みんながやりたいことがやれたら良いわね〜」

「まったくもって同感ですッ!」


 ――そのあとおしゃべりがしばらく続いて、打ち上げはおしまい。たくさんおしゃべりできてお腹もふくれて、至れり尽くせりでござんした。



「マサキ〜、ごはんは〜?」

「うっぷ……もう、食べらんない」

「あらら〜、それは大変ね〜」


 ――てなわけで、おうちに帰ったのはいいものの打ち上げでお菓子をボリボリ食べちゃったせいで晩ごはんは全然食べられなかった。母さんはお玉片手に声をかけてくれたが、いったい何をするつもりだったんだろう。かわいいからいいけどね。


レンです。

今回は出番が……無かった! ……僕ってなんか存在感薄いのかなあ。

別のクラスってだけでどうしてここまで……なぜだ!?

僕が何をしたっていうんだ! だいたいマサキとリョウばっかりいつもいい思いをして……!


っといっけなーい!

愚痴ってる場合じゃない、予告をしないと。


次回、『メリークルシミマス!』

お楽しみ……って、苦しめるの!? 何を!?

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