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荒唐無稽ビビッドハイスクール!  作者: SAI-X
第八話『アツがナツい!』
43/88

#42


「エリカぁ〜」

「なあに? 橘さん」


 たのしい六波羅商業高校ろくはらしょうぎょうこうこうでの毎日ですが、最近気になることがあります。それはとっても些細なことなんですが――。


「あたし……その、なんていうか……」

「どうしたの?」

「エリカのことが好きっ!」


 今日、橘さんから突然そう言われたときは、身体中に衝撃が走りました。私はそのとき唖然としていました。これって恋の告白だったのかな、それとも友達としての『好き』だったのかなぁ――。どう解釈したらいいのか、まったく分かりませんでした。橘さん自身はどういう意味合いを込めてそう言ったのかな――。


「へぇー。そんなことがあったのねぇ」

「そうなのよ〜。お姉ちゃんはどう思う?」


 家に帰ってからも気になって仕方がなかったので、思いきってお姉ちゃんに相談してみました。わたしより人生経験が豊富なお姉ちゃんなら、なにかいい答えを出してくれるかもしれなかったからです。


「う〜ん」


 お姉ちゃんは最初にちょっとだけ悩んでいる表情を浮かべていて、少し気まずくなりました。でもすぐに、にっこりと笑ってくれて嬉しかったです。


「世の中には同性愛っていうのもあるからね〜」

「……同性愛って?」

「同じ性別の人同士で愛し合うことよ〜。男の子なら男の子同士で、女の子なら女の子同士で……みたいな感じかなぁ」


 同じ性別同士で愛し合うってことは――、橘さんはあのとき……!?



「……お姉ちゃん」

「なあに?」

「わたし、告白されちゃったかもしれない」


 そう言われてお姉ちゃんはビックリしました。無理もありませんよね、「告白された」なんて言っちゃったもの。


「う〜ん、でも……友達としての『好き』だったかもしれないわね」

「気になるよね。あたしもその辺が気がかりだったの」

「明日橘さんにそのことを聞いてみたら〜? 言葉だけじゃ本当の意味が伝わらないこともあるから」

「うん、そうする!」


 どうやらお姉ちゃんも同じことを考えていたみたいです。決心がついたので、明日橘さんに真相を聞いてみたいと思います。



「ねえ、橘さん。昨日わたしのことを好きって言ってくれたよね。あれってどういう意味だったのか教えてもらえない?」


 ――翌日、休み時間に橘さんに会いに行ってみました。そして聞いてみました、先日言われたことの意味を。そしたら橘さんはこう答えたのです。


「えっ、昨日の? あ、いや……その、とくに深い意味はないよ!」


 ――やっぱり私の考えすぎだったのかしら。橘さんもとくに私に気があったとか私にホレたとか、そういうのじゃなかったみたいです。これでひと安心――って一口に言っちゃって良かったのかなぁ。


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